自由が丘散策


日曜日にじょにおと自由が丘に行ってきた。自由が丘には、今まで出かけたことがなかった。もっと正確に言うと、興味がなくて出かけようと思わなかった。妙にフェミニンな雰囲気や、ヨーロッパ風を曲解した雰囲気やしつらえの店が多いというイメージで、そうした印象がそこへ行くのを遠ざけさせていたのだが、休みになると出かける所もマンネリになってきたので、行ったことのない所へ行ってみるのもいいんじゃないかと思ったのだ。まあ全部が全部そうした雰囲気の店でもないだろうし。

ということで、車で出発。まあまあの流れでひどい渋滞もなく到着。某パティスリーの電話番号をナビに入れて、近くの駐車場に車を停めて、まず手始めにその店を覗いたのだが、ひどい混雑。カフェスペースも待ちの人が多くてごみごみしていて、ケーキの陳列棚さえ見られる状況でなく、早々に退散。菓子とは優雅な気分を味わうもの。買い物の時からその気分を楽しめなければ。必死にならねばならないようなのは論外と思っているので、そこの店は数十秒で出た。個人的にはパティスリーであろうとラーメン屋であろうと、「行列の出来るナントカ」にはまったく興味がない。

さて、その店の近くに手作り家具の店があったので、こちらを手始めとして見てみる。うちのテイストとは違っているが、クラシックでいい感じで、4センチ厚のウォールナットを使ったテーブルなどは、興味を引いた。(むろん即決で買うなどということはしなかった)

近くにザ・ガーデン自由が丘があったので、ついでに立ち寄る。ザ・ガーデン自由が丘は高級スーパーで、ナショナル麻布マーケットとか、関西で言うとイカリみたいな所。たまに自分の住んでいる街以外の場所に出かけると、面白そうなマーケットは覗くことにしているので、早速。中は一昔前の高級スーパーの感じ。お値段もそれなり。ワインコーナーは小さいながらも黒いエプロンのソムリエとおぼしき(ソムリエバッジは確認しなかった)がいたりする。ここでも何も買わず。節約節約。(前日にネットでシャンパーニュ半ダース注文したからとかそんなことは言えない)

さて、またまた歩いていくと、割れチョコ専門店を発見。ちょっと面白そうだったので入ってみると、バットに様々なフレイバーのチョコレートが。おいしそうだったし、値段も高くないので(100gで380円)数種類選んで買う。買い物に同封されたパンフレットによると、ネットでも買える模様。

ここの1階が店。
ここの1階が店。

ネットやパンフレットは何だか賑々しいが、店構えも内装も落ち着いていた。夜、家に帰って食べてみた様子はこんな感じ↓

個人的には一番手前のレモンチーズと、その左のビターが好み。
個人的には一番手前のレモンチーズと、その左のビターが好み。

チョコの店を出た後は、インテリアの店を何軒か回った。大体自由が丘と聞くと、スイーツの店と、インテリアの店、ちょっと意地悪な見方をすると、洗練された女性というよりも、洗練に憧れる女性が好みそうな 、ヨーロッパ風を模したテイストの店を思い浮かべる。まあ大体においてその想像は正解で、中には「もし結婚して奥さんがこれ好みだったら旦那さんは辛いだろうな」と思うような感じの店もあったりする。自由が丘で不思議なのは、土地自体は商業地であるだけでなく高級住宅地でもあって、当然男性だってほぼ半分くらいは住んでいたりするだろうに、そうした女性向けに振られたテイストが幅をきかせているところ。男性にとって自由が丘とはどういう所なのだろう?

あれこれ考えていると疲れてきてしまうので、歩いたことだし、お茶でひと息つくことにする。黒船という和菓子風の店を見つけて、その2階のカフェに行った。シンプルなモダン和風の作りで、まずまず落ち着く。菓子はそう面白くはないけれども、まっとうな感じ。抹茶を頼むと、カフェスペースの真ん中にしつらえた茶釜で点てて持ってきてくれて、口直しに山椒と何か(失念)の練り物がついてくるのが面白かった。

アイスを薄いカステラで挟んだ菓子。
アイスを薄いカステラで挟んだ菓子。
抹茶。練り物つき。
抹茶。練り物つき。

こうして、さらに歩いて輸入食品の店やら何やらを見て、車に乗って自由が丘を後にした。

トレンドの場所というと、六本木といい代官山といい、大体その浅薄さにがっかりしてしまうのだが、自由が丘は探せばいい店もありそう。昔の自由が丘のイメージというと、亀屋万年堂のナボナだったり、チロルだったり(そう、あのチロルチョコのチロル)して、あまり垢抜けない雰囲気だった。今も、勘違いインテリアの店や、勘違いスイーツの店がたくさんある。(今回行くことのなかった、駅の反対側には「スイーツフォレスト」なる所があるが、色んな意味で怖くて行けない)そういう意味からすると垢抜けないのは相変わらずとしても、六本木や代官山のようなすべてが意図的に作られた(そして失敗している)町とは違って、自由が丘が何となくまだ見所があるのは、トレンドオンリーで出かけていく場所として作られた町でなく、住宅地があって生活も隣り合っているからなんだろうと思う。ちょっと本来のものとは違う感じのものも、憎めないというか。自由が丘にはまた気が向いたら行くかな。