ブッフ・ブルギニョンを作る


先週のこと。じょにおの実家から時々お惣菜をいただくお返しに、かたまり肉でも調理するかと、牛肩ロースの大きなかたまりを買ってきた。さて、買ってきたはいいが、何にしようか。かたまりは約2kg。あまり牛脂が多いのは健康上良くないので、赤身な物を選んだ。ローストビーフにしようか? でも過去に数度作っているし、何よりすごくいい肉をいただいてそれを仕込んで渡したこともあるから、マンネリか。豚肉で作るアリスタの牛肉版も考えたが、さすがに牛肉となると、あの程度のハーブではクセが気になるかもしれない。

うーん。

ここはブッフ・ブルギニョンだ、と思い立つ。肉以外の材料も簡単に手に入るし、涼しくなって煮込み料理がおいしい季節になってきたから。ということで準備。もともとは田舎料理、決まったレシピもないらしく、ローストビーフのように焼き加減でおいしさが決まるような難しさもないので、今回は気楽。

材料を用意。ソース仕上げ時のマッシュルームは画像に入ってない。(この時点で買い忘れてた 笑)
材料を用意。ソース仕上げ時のマッシュルームは画像に入ってない。(この時点で買い忘れてた 笑)

肉はせっかくのかたまりなので、大きめに切る。

浸けてそのまま煮るので、切ったら寸胴鍋へ。
浸けてそのまま煮るので、切ったら寸胴鍋へ。

香味野菜は小さめのダイスくらいの感じに切って用意。本来はここでブーケガルニも用意するが、今回は簡便に、セロリの葉、ローリエ、タイム、ローズマリーをサシェ(小袋)に入れて用意。これらを赤ワインで漬ける。

ミルポワとハーブ。
ミルポワとハーブ。
材料に赤ワインを注ぎ入れて…
材料に赤ワインを注ぎ入れて…
結局ワイン1本では足りず、1.8本分くらい使った。
結局ワイン1本では足りず、1.8本分くらい使った。
冷蔵庫へ。これで一日置く。
冷蔵庫へ。これで一日置く。

一日後、漬けた肉と野菜を取り出す。よくレシピに「一晩漬ける」と書いてあるが、夜漬けて朝すぐ料理できる人は主婦でしかも時間が朝晩問わずある人でもないとできない気がする。冷蔵庫から取り出して室温にしてから調理開始なので、ざるに開けて肉と野菜を分け、それぞれワインを切っておく。漬けたワインは無論これで煮るので、捨てない。

浸けた肉と野菜を分けてワインを切る。
浸けた肉と野菜を分けてワインを切る。

肉は塩こしょうをしたら小麦粉をはたいて強火で表面を焼きつける。焼く時ににんにくを潰してオリーブオイルに入れ、香りを移すが、香りが移ったらにんにく自体は取り除いて、入れない。

塩こしょうして…
塩こしょうして…
粉を焼く直前に薄くはたいて…
粉を焼く直前に薄くはたいて…
焼き目をつける。肉のおいしさを閉じ込めるためでもある。
焼き目をつける。肉のおいしさを閉じ込めるためでもある。

野菜は肉を焼き付けたフライパンで炒めて、それぞれをワインに戻し入れ、煮込み開始。

目安は玉ねぎに透明感が出てくるくらい。
目安は玉ねぎに透明感が出てくるくらい。
肉スタンバイ中。
肉スタンバイ中。

ここから3時間ほど煮る。

アクと浮いた余分な油(脂)は丁寧に取り除く。
アクと浮いた余分な油(脂)は丁寧に取り除く。

鍋の焦げ付きが心配なので、寸胴鍋で2時間ほど煮て、煮汁が少し減ったところで、フッ素加工の鍋に移し替えて煮続ける。

途中、そろそろ調味するのにいい頃合いで塩加減を調整。そして3時間煮たところで肉の様子を見ると、肉は柔らかくなったようだ。しかし、煮汁が思ったほど減っていない。途中で落とし蓋をしたせいか。そろそろ仕上げたいので、余分な煮汁を他の鍋に取り、本体の肉入り鍋と同時進行でそちらを煮詰めてから合体。

別鍋(左向こう)でも煮詰めつつ。
別鍋(左向こう)でも煮詰めつつ。

ここでもう午前0時をとうに過ぎていたので、冷ましている間に味が入るので、蓋をして一晩置く。そして朝、冷めたところで鍋の蓋の周りにラップをして冷蔵庫へ。

翌日夜。帰宅して、冷蔵庫の鍋を取り出して焦げ付かないようにゆっくり加熱。そして肉を取り分け、煮汁からミルポワを漉して、煮汁を煮詰めてソースづくりの仕上げ。濾したミルポワはフードプロセッサーで細かくして、裏ごしして、繊維以外はソースに戻した。ここでマッシュルームも入れて煮上げ、調理。そして…

完成!
完成!

色はビーフシチューと変わらないのだが。(笑)でも、食べるとちゃんとワインの風味があって、味は深く、シチューとは違う。肉は長時間をかけての調理の成果でほろほろとやわらかく、味が染み込んでいて大成功! せっかくなので友人のりょうちゃんを読んでうちで一緒に食べ、そしてもちろん本来目的であるじょにおの実家へのお裾分けも忘れずに。いずれの人にも好評だったよう。これは素朴だがおもてなしにいいので、今度またかたまり肉を買ってくる機会があったら作ってみようか。