じょにお、カミングアウト。


じょにおが昨日、じょにおのお母さんと叔母さんにカムアウトした。前からバレているふしはあったが、直接告げるのと、相手が推察するにとどまるのとでは、大きな違いがある。

このブログにはじょにおの名がよく出てくるが、じょにおについてはこのブログによく登場する人物を参照してもらうとして、じょにおの家族との関係は、簡単に言うと次のような感じだ。

じょにおの両親は、うちから徒歩ですぐの家に住んでいる。じょにおには兄と弟がいるが、兄も近所(別の家)。弟は前にじょにおの家にいたこともあるが、(じょにおがゲイであることは了知済みで、理解がある)現在は両親と共に暮らしている。じょにおのお母さん(略してじょに母)の妹、つまりじょにおの叔母(略してじょに叔母)も近所にいて、じょに母とじょに叔母は仲がよく、しょっちゅう一緒にいる。
じょにおの家ではお父さんは昔気質で少し難しい人らしいが、家の中で実験を握っているのは断然じょに母の方のようだ。そしてじょにおは、じょに母・じょに叔母と仲がいい。

さて、昨日。じょにおのお父さんが旅行で出かけているのを機会とみて、じょにおがじょに母・じょに叔母を夜食事に誘って、そこでカムアウトしたのだそうだ。その話をすると俺は事前に聞いていて、関係性から言ってうまくいくとは思っていたが、それでもどうなったのだかと、自宅で待っていたら、じょにおからメールが来た。

カミングアウトしたよ。なんか普通。つまんない。

つまんないって…。(笑)どうやら普通に受け止められたようだ。ほっとしていたら、それからうちに来るという。予想されなくもない展開ではあったが。部屋はだいたいいつも片付いているのでいいのだが、ヘアジェルも落として寝る恰好に着替えていたので、身支度。

ほどなくじょに母・じょに叔母が、じょにおに伴われて来訪。前に何度かお互いに見かけていたので、最初に「もう少し早くご挨拶差し上げるべきでしたが」云々と挨拶しようかと思っていたが、この2人、怒涛のマイペース。そんな形式張った挨拶をするいとまもなく、じょにおがまるで友達でも案内するかのように「あがってあがって」というと、家にあがるなりあちこち見渡して「へぇ~、きれいね」「あら~、おしゃれ」「あ、何かいい匂いがする」とやっている。どうやらじょに母もじょに叔母も、前から家を見てみたかったらしい。

「何か冷たいものちょうだい、酔っ払って喉が乾いちゃったのよ」

と、じょに母。 食事の時にワインを1人で1本空けたらしい。しかし顔は赤くもなく、口調にも酔っ払っている様子はない。恐るべし。ハーブコーディアルをペリエで割って4人分用意し、ダイニングの椅子に腰掛ける。

それからかれこれ1時間強話していた。話していた、といっても、主に話していたのはじょに母とじょに叔母なのだが。根掘り葉掘り聞かれることもなく、じょにおのカミングアウトについては、じょに叔母の「あたしは別にいいと思う」というくらいの話に留まり、時間の大半はじょにお家の人々の関係について(あまり我々との関係性では関係無いような日頃の有様についてを)話し、一段落すると食べ物の話になって、今度食事を作ってごちそうするという話に。

「(作るなら)おいしい物ね!」

とじょに母&じょに叔母。どうやらおいしい物への追求心は、じょにお一家の共通事項らしい。そして、「じゃあね」と玄関で手を振り、まるで来慣れた友達の家でも後にするようにして、2人は去って行った。

◇ ◇ ◇

そんなわけでじょにおのカミングアウトはまず成功だったのだが、ああいったじょに母・じょに叔母の素の対応は、地で行くことが楽というのが大半だったかもしれないが、顔は見かけたことがあるとはいえどんな人だか分からない俺を見に来て、おまけにじょにおのパートナーということで生じる緊張をほぐすためだっただろうこともあったろうし、じょにおや俺への気遣いというのもあるのだろう。いずれにせよ、じょに母・じょに叔母、じょにお、俺のそれぞれが、存在認識をきちんとできたので、喜ばしいと思う。

家族に関係性を明らかにしたからにはこれから長い付き合いになり、こういうことは一度宣言しさえすればいいというものではないので、カミングアウトは「まず」成功と書いたのだが、じょにおのお父さんには言わない方がいいという判断がじょに母・じょに叔母にあるらしく、そうしたところは時間をかけて行く必要があるだろう。しかし、それをおいても、じょにおが自分自身の新しい人生のスタートとなったことを、喜ばしく思う。こうした決断と行動のできるパートナーを持って、俺は幸せだ。