じょにお、バレかけてる


パートナーじょにおは、歩いて5分の所に実家があって、両親とよく交流している。たまに食べ物をもらったり、稀に持って行ったりもしていて(たまに>稀に 笑)、両親との関係は良好だ。家が近いので、俺がじょにおと歩いている時にたまたまじょにおの両親に出くわしたことも何回かあるのだが、じょにおから俺を両親に紹介されたことはないので、何となく会釈したようなしないような、という微妙な感じになっている。

この前もじょにおとジムに出かけようとしていたら、じょにおの母親(以下「じょにママ」)と出くわした。じょにおとしてはいずれ近い将来にカムアウトすることを考えているのだが、今はまだ俺を紹介をしていない。しかし、何回か出くわしているのでじょにママは俺のことを認識しているらしく、昨日は

「あなたあの子といっつも一緒にいるわねえ。仲いいのね。」

と言っていたらしい。じょにおは「そう、仲いいの。」と答えておいたらしいが、ここまで仲がいいと思っているのかどうか…。(笑)その前には、じょにおが大きなチーズケーキをホールで買って、持って帰るときにじょにママに分けてほしいと頼まれて、じょにおが「これは他の人に分けるからダメ。」と言ったら、

「あの子と分けるんでしょ?」

と言われたらしい。完全に読まれている。件のチーズケーキは持って帰ってきて俺と食べたが、一部お裾分けしたのは、近所に住む友人のあべおだったのだが。(笑)

頻繁に交流があってましてやまともな親子関係であれば、子供の様子やその変化に気づかないわけはない。両親へのプレゼントとか、家で作った料理を両親のところに持って行くとか、そんな所に趣味の変化が見られるだろうし、じょにおが誕生日にディナーに出かけたとか、今度タヒチに行くとかなれば、誰かの存在は(それが「あの子」かどうかはさておき)確信されるところだろう。しかし、息子がストレートと信じてみじんも疑わないのであれば、そこで素直に「誰と?」という問いが出てくるだろうけれども、その辺は「もしかして」というのがうっすらと意識にあるのだろう、ディナーに出かけた場所や食事のことは聞くし、旅行にしても「いつ、どこへ?」は尋ねられても、いずれも「誰と?」とは聞かれないんだそうだ。

それは、聞いてしまうと返ってくる答えで決定的に明らかにされることを、両親は恐れているのだと思う。「多分……なんだわ」という「……」があらわになるのは、いつか来るかもしれないけれど、自分の手でそれを開けられない気持ちがあって、そこをじょにおも両親も今のところ避けて関係のバランスを取っているのだろう。

両親との距離感とか、性格や行動パターンを考えてとかいうことは、じょにおと両親固有の関係として、じょにおだけしか感じ取れない空気感があるだろうから、うまく持って行ってくれればそれでいいと思っているし、じょにおがゲイだということは弟はあっさり理解しているし、じょにおの家族を知る他の人にも知っている人はいるから、そのへんをうまく味方につけて万一話がこじれた時には援護射撃を頼める体制を整えておいてから両親にカムアウトすればいいだろう。まあその辺のいわば地ならしとして、「あの子」と「仲がいい」という事実認識があるのは、いいことなんじゃないだろうかと思う。<>