すわブショネ? 浮き輪のにおいのワイン?
ある週末の夜。じょにおとまったり過ごそうと、しかしシャンパーニュな気分ではなかったので、デザートワインを開けることにした。いつもはアイスワインだが、この前ソーテルヌを買ってきたので、それを試そうと準備。
ところが、グラスに注いで一口飲んでみて、「ん…?」
素直においしいとかワインの個性だとか言えないにおいがする。じょにお曰く、「これ、浮き輪みたいな臭いしない?」と。確かに、ビニールの浮き輪を膨らませる時に口をくわえると感じる臭いのような。まさかブショネ?? 不快臭とまでは言えないのだが、微妙な感じ。ちょっと飲み続ける気もせず。かといって、おいしくないから「ハイそれでは」と流しに捨ててしまうのもなんとなくためらわれ、そのまま冷蔵庫に入れて数日が経った。
数日後。ちょっとまた舐めてみる。あの時感じた浮き輪みたいな臭いはほとんどしない。ブショネなら、そのまま何もせず放っておいて不快臭がやわらぐことはないから、そうではなかった模様。飲もうと思えば飲める…が、どこかにそんな臭いが残っているような気もする。そうすると、もう浮き輪が頭に浮かんでしょうがない。じょにおはこれをさして「うきわいん」などと言う。(笑)
んー。
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料理用だな。デザートワインでかなり甘いので、ベリージャムを作る時に入れてしまうことにした。ソーテルヌのワインをジャム用にどぼどぼ使うとは何と贅沢な、とも思うが。
ベリージャムは結局このワインの甘味だけでは足りなくて、砂糖も入れて作ったので、ソーテルヌはどこへ行ったやら、という感じ。普通に作ったベリージャムと風味が違うとも思えないし。(ジャム自体はおいしいのだけど)
シャンパーニュ Deutz Blanc de Blancs 2004
さて、そしてこちらは中身がちゃんとしていた話。前に3本セットで買ったDeutzの中の、ブラン・ド・ブラン。ロゼはまずまずの味、スタンダードのBrut Classicはちょっと持て余し気味だったので、この2004年のビンテージはどうなんだろうか、と期待を込めつつ。
開栓して注ぐと、泡がかなりクリーミーで、しかも長く続き層になるほどで、驚く。香ばしい発酵香は、ブリオッシュというよりはフランスパンのような感じ。ブラン・ド・ブラン特有の、軽やかで高貴な果実本来の香りもする。
Brutの表記はないが、ドサージュは抑えられているのだろう、すっきりした酸味と、優美な中にもしっかりしたボディーがある。Brut Classicでは苦味もあり、飲み進めると少しその単調さに飽きがきてしまったのだが、Blanc de Blancs 2004では苦味はほとんど感じられず、後半になるとセクシーでふくよかな香りもしてきて、飲み飽きない。
上質なブラン・ド・ブランは、物足りないということはない。酔い心地も含めての優美さや香りの豊かさがあって、これはいい1本だった。液体自体が上質な感じで、するするとなめらか、Deutzの面目躍如といった感じだ。飲んだシャンパーニュの印象を一覧表にしてレビューのコーナーに置いてあるのだが、俺の評価は10点中8。しかし、じょにおは7。「普通じゃん?」と言う。恐るべし、じょにお…。