癌の記録 入院・手術


退院

さて、そんなこんなで過ごすこと1週間。8日目の朝、退院となった。ヤマを越えてからは、ひたすら手術箇所を気遣いつつベッドの中で向きを変え、スマホにかじりつき、たまに本を読みといった過ごし方で、その合間合間には検温、検診、食事が入り、時の経過を待たねばならないが、焦れる状態ではあった。

退院当日、じょにおに車で迎えに来てほしかったのだが、じょにおはどうしても避けられない仕事の予定があり、タクシーで帰ることに。会計を済ませ、タクシーに乗ると、愛想のいい運転手で、「首都高に乗りますか?」と尋ねてき、この時間は首都高は渋滞なのではと、少し考えて曖昧な返事をした俺のことを、料金を気にしているととったのか、運転手は「負けますよ」と言う。考えるのも面倒くさいので、勧めに従って首都高に乗ることにする。交通事情についての話を時折振られながら(返事をするうちに、この人はどうでもいいことをしゃべりたくて、またこちらの返事にも内容は求められていないのだと分かって、かえって気が楽だった)、首都高を移動する。反対車線には、即位礼正殿の儀を控えてだろうか、数百メートルおきに警察車両が走っていた。
家には存外早く着き、その気のいいタクシー運転手は「お客さん、支払いはカードかい?」と尋ね、カードを切ったのちは、首都高に乗る前に言っていた「負けますよ」の言葉どおり、1000円札を一枚、領収証とともに渡してくれた。

家に入ると、犬達が喜んでいた。犬達に触れると、帰ってきたなという実感が沸く。少し物を片付け、ソファーに腰を下ろすと、犬達が寄り添ってくる。ただいま。お前達に喜んでもらって俺も嬉しいよ、と独り言ち、昼寝の前に痛み止めを1錠飲んだ。

じょにおの出張が重なったこともあり、入院期間中大半は、犬達をトレーナーさんのところに預けていた。
じょにおの出張が重なったこともあり、入院期間中大半は、犬達をトレーナーさんのところに預けていた。
帰宅した俺の脚に収まるプットニョス。
帰宅した俺の脚に収まるプットニョス。
甘えて喜ぶノアノア。
甘えて喜ぶノアノア。

2 Replies to “癌の記録 入院・手術”

  1. こんにちは❗
    その後、如何ですか❓
    ブログを読んでいて、大変な手術だったんだな改めて思いました。ちょっと僕が同じ立場になっら、決断できないかなと思いました。
    チンチンの件ですが、やっぱり何事も笑いに変えるというのは、大事だと思いました。それが大変であればあるほど。
    かなり昔、胃癌の手術を受けた友人が術後がまた大変だったと話していたことを思い出しました。暫く大変かと思いますが、どうぞご自愛下さい。

    1. はい、今回の手術の回復はまずまずで、食事に関しては何でも食べられるようになりました。
      後日対処が必要なことも出てきてしまったのですが、それはまた術後のこととしてまとめて書こうかと思っています。
      チンチンの件は看護師さん、よほど苦手分野で照れ隠しが裏目に出たのか何なのか。こっちが冗談としてやり過ごす手に出る他ないですね。
      いつもお気遣いいただき、ありがとうございます。

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