ジャガーXE 20d プレステージ 2ヶ月乗ってみての印象


インフォテインメントシステム

XEのインフォテインメントシステムは、2017年に大幅に変更されている。変更前のはDVDナビなどが二昔前の印象だったが(比較して乗った車について後述)、変更後は操作性も見た目もかなり変わった。そして、後述するが、InControlTouch Proと称するこれは、アップデートでそこから更に変わった。

オーディオ

11スピーカーのメリディアン製プレミアムオーディオが標準。リスニングポイントの中心を任意に設定できるのがいい。調節できるパラメーターは少ないが、音質はクリアで音像がくっきりしているので、細かくバンド調整する必要性を感じない。そもそもの出来がいい、という印象。家では音楽を聴くのにBowers & WilkinsのZeppelinを使っているが、それと比べると、Zeppelinの方がやや繊細。メリディアンは分かりやすい音、といったらいいだろうか。ステレオ感は豊かだが、聴き疲れしないので、音量が大きくても楽しめるし、そもそも音量をそう上げる必要もない。車のノイズに合わせて自動的に音量を調節し、同じ聞こえ具合にする機能もついている。

音質や音場の設定画面。
音質や音場の設定画面。
フロントツイーター。普通フラットに埋め込む車が多いが、角度をつけて設置されている。
フロントツイーター。普通フラットに埋め込む車が多いが、角度をつけて設置されている。

持ち込みのオーディオを聴く方法としては、iPhone/iPod等を接続する、リッピングして車載システムのSSDに格納したファイルを聴く、USBメモリーを挿す、の3つ。リッピングは容量が少ないので期待しない方がいいし、USBメモリーは抜き差しして家でファイルを入れ替えするのが面倒。結果、iPhoneを接続して聴いている。

オーディオの再生画面(メインディスプレイをメディア表示にした場合)。アルバムアートワークを使ったビジュアル表示。
オーディオの再生画面(メインディスプレイをメディア表示にした場合)。アルバムアートワークを使ったビジュアル表示。

接続は、Bluetoothと、USBケーブル接続でのInControlTouch Pro(次段参照)による。前者の方が手っ取り早いが、BTは送り・戻し、リピート、ランダム以外のトラック操作はiPhoneで操作することになるのと、アルバムアートワークが表示されない点がネック。→訂正:ICTPをアップデートしたら、「閲覧」なるメニューからソングリスト、アルバム、アーティストにアクセスできるようになっていた。閲覧はおそらくBrowseの訳だろう。これでBTによる接続の利便性・操作性はますます増して、ICTPのアプリケーションによる使い勝手と近接することになった。

InControlTouch Pro

ICTPは、ジャガーのコネクティビティーとして肝いり。これは、バージョンによって大きく異なることが分かった。新バージョンの方が圧倒的に操作性が良く、UIも洗練されている。登録から3年は無償でアップデートできるが、有償でもやる価値がある。

旧バージョン

カタログに載っている写真で見られる前バージョンは、結論から言うと、未熟で、使う気にならなかった。まず、接続に時間がかかり、不安定。ジャガーのサービスセンターの人から聞いたところによると、メモリーが少なく、システムがアップアップになってしまうようだ。正しく接続しているにもかかわらず、インパネ画面には再試行を促す表示が出る場合があるし、接続安定には下手をすると10分ほどもかかる場合があった。
音楽の操作では、iPhone内に格納している音楽ファイルの数や容量の多少にもよるのだろうが、インパネでのタッチ操作に対する反応が、非常にモッサリしていた。目的のソングファイルやリストをタッチしても無反応なのかと思うほどで、正直イライラした。音楽はBluetooth接続に任せてしまった方が楽な印象。

新バージョン

これが、車の整備ついでに新しいバージョンにしてみると、全く異なった。バージョンアップと同時期にたまたま、iOSでの動作を改善したiPhone用アプリのアップデートがあったので、そちらも最新版にした。すると、接続は安定。手順通りにすれば、すぐXE側でiPhoneを認識してICTPが動作可能になる(本来そうあるべきなのだが)。ただ、音楽はICTPを起動しなくてもメディアアイコンからすぐ操作できるし、他に使えるアプリは今のところ限られている。車の中でやりたいことは限られていて、俺としては音楽と電話があれば十分。

新版のメイン画面。
新版のメイン画面。
メニュー画面。
メニュー画面。
新版のメイン画面(ダークモード)。モードは明るさに応じ自動で切り替わる他、選択もできるし、画面自体の明るさも変えられる。
新版のメイン画面(ダークモード)。モードは明るさに応じ自動で切り替わる他、選択もできるし、画面自体の明るさも変えられる。

電話

電話機能はICTPから操作もできるが、Bluetoothで事足りる。その辺りは棲み分けをはっきりさせてほしいところ。Bluetoothは車外に出ていても概ね半径5m程度なら繋がっている。従って、車のシステムが起きている時に車外でスマホから電話を使おうとすると、音が出るのは車のスピーカーからという場合があるので要注意。

ナビ

ナビはわかりやすい。これもICTPのアップデートで、地図が圧倒的にきれいになった。横長の画面では、縦方向の大きさが足りないと思うかもしれないが、交差点に差し掛かると画面を分割して右横に交差点やVICS情報が表示されるのを見ると、これでいいと感じられる。

ナビ画面。
ナビ画面。

移動中の地図スクロールはなめらか。以前、人のメルセデスEクラスに乗せてもらって、高級車らしい挙動だなと思った覚えがあるが、XEのナビもその点ではちゃんとしている。ただ、ナビ中に渋滞迂回でルート再検索を有効にすると、ここでそんな道路を通らせるか?という指示をしてくることがある。そして、ルートを外れるとUターンを促して繰り返し元のルートに乗せようとすることも。

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