おいしいエスプレッソへの遠い道のり


初秋頃に、直火式のエスプレッソメーカー(いわゆるマキネッタのポット)を買い換えた。ビアレッティの6カップの物なのだが、前に使っているのをうっかり水を入れずに空焚きしてしまい、古くなっていたパッキンが溶けて本体金属に癒着してしまったので、同じ物に買い換えたのだ。が、これが芳しくない。

使っていたビアレッティのエスプレッソメーカー。
使っていたビアレッティのエスプレッソメーカー。

最初、いつもどおりに挽いた粉を詰めて火にかけたら、いつまで経ってもコーヒーが上がってこない。おかしいと、買った某コーヒー専門店に持って行ったら、そこでは上がった。どうやら細かすぎるといけないんだろうか、と、それまでよりもやや粗挽きにして、粉もきっちり詰めないようにして試すと、一応入るようになった。
が、前にはさほど漏れなかった蒸気が最初上がるのと、抽出時間が明らかに長くなった。入れたエスプレッソ自体も、少し風味が劣る気がする。
コーヒーは嗜好品。嗜好品は字のごとく基本の食生活にプラスして好き好んで嗜むものであるのだから、まずいのは話にならないが、イマイチだなと思わせるものであっても困るのだ。「なんだか前の方がよかった」とか「ちょっと何か違うんだよな」というものは、少なくとも家では飲みたくない。そこで、買い替えを検討したのだが、なかなかいい物が見つからなかった。

買い替えるならエスプレッソマシンでもいいかと思ったが、以前じょにおが使っていたカプチーノメーカーがイマイチで、メンテナンス性とか衛生面でちょっと、ということだったので、さんざん機種を検討したのだがボツ。

次に、直火式の代わりに電気で作るマキネッタのメーカーではどうだろう?ということになって、一旦ネットショップで注文したものの、そのショップでは「在庫あり」と表示しておきながら「アメリカの倉庫にあり、直接発送のため12日前後かかり、配達時間指定不可」という。なので、そんな不確定なのはクリスマスシーズンを控えて年内に来るのかさえ微妙なのでキャンセル。(ところで、デロンギはイタリア企業でマシンは中国or台湾製なのにアメリカから直接とはこれ如何に?と思ったが、そこは触れてはいけないことなのか)

さて、どうするか。もう同じ物を探して再注文する気にもなれず。直火式のエスプレッソメーカーは、案外メーカーの選択肢がない。そこで結局、アレッシィのにした。今回は別のネットショップで買って、スムーズに到着。

箱から出してみると、結構でかい。同じ6カップだが、ビアレッティのものより明らかに水もたくさん入る。

新旧の比較。左が新しく買ったアレッシィのエスプレッソメーカー。
新旧の比較。左が新しく買ったアレッシィのエスプレッソメーカー。
上から見て比較。
上から見て比較。

これ、水を入れる下の箇所と、上のコーヒーが上がる箇所の取り付けが結構頑丈。最初戸惑ったのだが、外れて、各所を洗ってからさっそく試す。最初なので、マニュアルに書かれた細々した注意事項を忠実に守りつつ火にかける。当たり前ながら、無事抽出。

抽出の様子。蓋は開けておくんだそうだ。
抽出の様子。蓋は開けておくんだそうだ。

フォームドミルクを作って飲んでみた。フルで6杯入れてみたのだが、マキネッタで作るコーヒーにしてはやや薄い感じもするが、風味はいい。それに、コーヒーの味がおいしく入るには、数回繰り返してみるのがいいのだとマニュアルにはあったし、マシンの個性に合わせて入れ方を工夫するうちに、もっとおいしく入れられるようになるだろう。ということで、納得の行くエスプレッソがまた飲めるようになってめでたしめでたし。