浮気と時計


俺が今している腕時計は、じょにおのお下がりだ。じょにおが新しい時計を欲しくなった時、その時していた物を俺に渡して、(俺は単に「使っていいよ」という意思表示だったのだと思ったのだが、じょにおは俺にやったものだと思っている節がある。いずれにせようちの中の様々な物はどれがどっちの物だか判然としない物も多いから、これもその類なのだと思うが)じょにおは新しいのを買った。ただし、「当時」という言葉がつく。

じょにおは時計好きで、いろいろ買い換えている。俺と付き合い始めてから記憶しているだけで、5、6個は換えただろうか。まあそういうのは趣味だからしょうがない、と見ているのだが、じょにおは興味の対象が移る様がとても分かりやすい。

まず、「これこれこういうのがあってね、カッコいいんだよ!」という話から始まる。来たな、と俺は思う。そして数ヶ月すると、「これね、買ったの。かっこ良くない?」と、突然新しいのをはめて帰宅する。

→しばらく毎日している
→時々になる
→「この時計、◯◯はいいんだけど、△△がちょっとね」とデメリットを言い始める
→あまりしなくなる
→「これこれこういうのがあってね、カッコいいんだよ!」という別の時計の話


(以下繰り返し)

となるわけだ。(笑)倹約って言ってるのはどこの誰でしたっけねえ。

ところで、時計を次々換えたり複数本持ったりするのは浮気性なんだとかいう話が巷にあるが、ある日のこと。寝室で探し物をしていて、普段使わない引き出しを開けたら、思わぬ物を発見した!

俺「これ何?」
じょ「いや、その、別に」
俺「これ、詳しく話して」
じょ「いや、別に本気ってわけじゃなくて、ちょっと遊びで」
俺「出たよ、この人は。出張で真面目に働いてきたのかと思ったら」
じょ「いや、仕事はちゃんとしてたよ!」
俺「じゃあ、ま、いっか」

というのが、じょにおがミラノでカジュアルな別時計を密かに買って帰ってきていたのが発覚した一部始終である。(笑)

そして最近、今年の前半に買ったばかりのメイン時計を既にあまりしなくなっている。そして↑のミラノで買ってきた時計もする気配がない。これはひょっとして、と思っていたら、最近「◇◇のこんな時計があってカッコいいの!」としきりにアピールしてくる。まったく、この人は…。

ちなみに車好きも浮気性という話も聞くが、ここではそれには触れないでおく。巷の迷信めいた心理テストに惑わされてはいけない。