日常メモ (日)平山郁夫、(木)お疲れ様会


平山郁夫と文化財保護

この前の日曜日、東京国立博物館で開かれている特別展「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」を観てきた。「平山郁夫氏の文化財保護に関わる偉大な活動を顕彰し、その業績をとおして文化財保護の重要性や課題などを改めて広く知」るための展示会とのことで、仏教の黎明期からの仏像や壁画、仏画、平山郁夫の作品で仏教に題材を取るものや、訪れた先の風景画などが展示されていた。面白いなと思ったのは、入ってすぐのところに平山郁夫が訪れた場所が点々と地図に記されていたのだが、シルクロードを中心にその数約150箇所。美術界や学会で成功を収めた平山だから、仕事として行く分に費用の心配はなかっただろうが、それでも行動力と熱意がなければ、これだけの所には行けなかっただろう。人間やる気になればこういうことができるのだな、と感慨深かった。また、自分の芸術活動だけでなく、文化財保護に熱心だった活動の様が知れて、芸術家の良心を感じることができた。

展示自体は地味だったし(什器や展示方法はいつになく力が入っていたが)、芸術にどこか突き抜けたピリリと感じられるものを求める俺には正直、平山郁夫の絵は平明すぎる感じがして、今まで積極的に好きといえる感じではなかった。が、ヒマラヤの勇壮な絵が下絵とともに展示されていたのを見て、実に丹念で真摯な作品作りの姿勢を感じることができて、良かった。

ところで、上野公園は一大改修プロジェクトが進行中でびっくり。噴水のあたりも作り替えて、あの陰気な木々も手入れをして、エリアを明るいものにするのだとか。上野といえばあまり垢抜けないイメージで、それには上野公園の古臭い感じもイメージを上塗りしていたと思うが、これで幾分、気持ちの良いものになるだろうか。垢抜けるのは無理としても。そういえば平山郁夫展を開催していた東京国立博物館も、入ってすぐにある東洋館(古代エジプトやシルクロードの展示物を納めた所)は改修工事中で、再開は来年とのこと。その改修中の東洋館と、正面の本館の間からは建設中の東京スカイツリーが見えた。時代は変わってゆくのだ。

建設中の東京スカイツリーが見える。
建設中の東京スカイツリーが見える。

お疲れ様会 ビストロ再訪

さて昨日はじょにおと近所の友人あべおと俺の3人で、西新宿にあるフレンチビストロ”Le Coup Chou“を訪れた。誕生日に行って以来だ。あべおがちょっと一仕事したので、そのお疲れ様会ということで。最初は中野のトラットリア”Jovanni“に行こうと思っていたのだが、じょにおが予約の電話を入れるとJovanniはあいにく定休日。では焼肉はと、高級肉で有名な六歌仙に行こうとするが、何と今時喫煙席のみで禁煙席がないとか! 却下却下、大却下。ならばカニかふぐでもどうかと考えて、あべおにカニはどうかと尋ねると、カニは苦手らしい。ふぐもどうやらそんなに好きではないらしく。めんどくさいな、もう!!(笑)ということで、フレンチに決定。それと並行して、何時にどこで待ち合わせとか何とかと、じょにおとあべお両方に連絡を取り合っていたら、行く前に疲れきってしまい、仕事でも人間間の連絡中継ぎ状態が相次いで神経を使っていたこの日、もう俺はご機嫌斜めどころか急勾配状態。人の間に立ってのこういうアレンジメントが一番しんどい。ということで、俺がお疲れ様会してほしいくらいの状態で赴く。

連休前の平日のビストロは、我々以外に客は1組の女性のみ。おかげで料理は余裕をもってサーブされた。酒は、まずハーフのシャンパーニュを3人で軽く。前はランソンだったが、今回はLaurent-Perrier Brut L-P。Laurent-Perrierは上品で爽やかで、パイナップルのようなフレッシュな香り。価格もカジュアルだが、クリスマスの時に臨時で飲んだMoet & Chandonのロゼより味わいがあってこちらの方が好み。

Laurent-Perrier Brut L-P。
Laurent-Perrier Brut L-P。

料理の内容も◎。フレッシュフォアグラはなめらかで芳醇、パンも風味豊かだし、スズキは身に弾力があり、うずらもむっちりした歯ごたえとジビエらしい濃厚な肉の風味。Laurent-Perrierの後は白ワインのハーフ(銘柄失念)をギャルソンの勧めで飲んだのだが、素直な味で、辛口すぎず、甘くもったりもせず、これも爽やかな飲み口でよかった。この店はカジュアルな感じでフレンチが食べられて、値段はワインも含めて良心的。おかげで食事が終わった頃には機嫌もすっかり直った。(笑)じょにおとあべおの間では、「JOEはお腹が空いていると機嫌が悪くなるが、おいしいものを食べさせればよい」と思われているようだが、それをより確かにしてしまったかもしれない。じょにお、あべお、気を使わせてごめんなさい。でもおいしかったね。(笑)