実録 ゲイカップルの同居事情


とあるSNSに少し前、相談が寄せられていた。相談は、カップルの年下の方からなのだが、彼が言うには、ケンカが深刻化して2週間以上も膠着しているという。年下としては自分では努力しているつもりが、家事をしないとか寝てばかりいるとか年上から責められ、交渉しようにも家事負担は「嫁の仕事」と年上が言い切って取り合わず、挙句には「浮気をしても文句を言うな」と言われるとか。経済的負担は年上がほとんどを持っているだけに古典的・因習的な男女のカップルの役割分担が当てはめられており、どうやら年上の問題だけではなく、つくすタイプの年下にも改善する余地はありそうな内容だった。

そこで、うちの生活状態を振り返ってみた。高みの見物をするつもりでは毛頭ないのだが、そういった負担の応分については、問題がない。日常の諸事情を並べてみると、

費用分担

家賃… じょにおの持ち家(マンション)なので、第三者に支払う家賃というものはないのだが、ローン+管理費の半分を俺が負担。万一の時の権利保護のため、賃貸借契約をじょにおと俺とで締結し、家賃の形で俺が負担分を払っている。支払いは実績として形を示せるよう、専用の口座に振り込む。固定資産税はじょにおが負担すると言っているが、俺は半額を支払うつもり。

光熱費… 折半。じょにおの口座から引き落とされ、請求額確定時点で半分を俺が現金で支払う。

通信費… インターネット回線費は折半。じょにおの口座から引き落とされ、月末に俺が現金で半分を支払う。携帯料金はそれぞれに。

その他日常費用… 共通の財布を作ってあって、同額を出し合って補充しておく。普段の買い物や食事に行った時には、そこから拠出。個別に2人用の買い物をしたら、そこから拠出分を持っていく。額は厳密ではなく、大体。うちはどちらかが極端に多く買い物をするとかはないので、OK。 因みにそれぞれの収入はマージしているわけではなく、別々の管理。俺としては金勘定は不得手な方なので、すべて任せて自分はお小遣い制にしてもいいと思っているのだが。

家事分担

食事を作る… 朝食はそれぞれに摂る。夕食は大体半々。片方の仕事が忙しい時には、もう片方が作ることが多い。両方が忙しくて買い物に行く時間がなかったり、帰宅時間が極端にずれたりすれば、それぞれに食事を摂るか外食にする場合もある。片方が作る時にも、時間が完全にずれる時以外は手伝ったり、一部を分担する。分担方法は他にもあって、得意な物は得意な方が、という観点で、汁物=じょにお、パスタや炒め物=俺、という分担もある。

洗い物… 主にじょにお。たまに俺。

掃除… 俺。たまにトイレ掃除のみじょにお。

洗濯… ほとんどじょにお。たまに俺。

ゴミ出し… 半々、または共同。

得意なこと・やってもいいことのフィールドがちょうどうまく分かれているのと、お互い自発的な行動が多いので、分担が問題になることがないのだろう。それから、完全に固着した役割分担という割り切り方をせず、やるべき時にやれる方が、としているのもいいのかもしれない。しかしそれだけでなく、きっとじょにおは、俺の見えない所で種々面倒な事々を処理してくれているのだろうなと思う。お互いにやってくれたことに対してのみならず、見えないところでも何かとやっている(だろう)ことに感謝するのが、大事なのだと思う。愛情表現だけでなく、時々口に出して「いつもありがとう」とお互いに言うのだが、相手に伝えることも忘れずに。

それから、ゲイカップルだと、それが協同でライフスタイルを築いていこうとしているが法制度上結婚していない結びつきだという意識を持って計画的な生活をしているのか、ストレートカップルのいわゆる「同棲」と同じレベルなのか、外見からは区別がつかないが、「この関係を育てていくためには生活を共にするうえで何が必要か」を意識して協力的な姿勢で臨むことが大事だと思う。片方が構築的に考えていても、もう片方はそうでない場合もあるかもしれないし、その辺は難しい問題なのだが、うちの場合は、じょにおも俺も両方将来を向いた考えをしているので、この点もラッキーなのかもしれない。