2021/3/1 月 総合29日目 通院・全5週目
放射線治療18回目
遂に塩気も全く感じなくなった。塩分の過不足に気をつけねばならない。通常通り放射線治療に行くが、ハプニング発生。放射線治療器が壊れたので他の部屋にある機械を使わねばならず。そんなわけで時間がかかったが治療内容自体は通常通り。
夜、やや倦怠感。これが抗がん剤によるものなのか、放射線治療によるのかは不明。9時半頃熱を計ると37.4℃、指示通り解熱剤と抗生物質を服用。その前に制吐剤。
こうして一連の身体感覚や状態を綴り続けていると、その時に一番気になる現象にフォーカスしがちなので、苦痛の連続のように思われるが(もちろんそれは真実だ)、これらは治療のために行っていることの副作用で、肝心の治療は体感的に奏功しているように思われる。気づけば、左顎下のリンパ節や、手術になり切除した所の腫脹は確実に小さくなっていて、認識し難い程になっている。だからこそ受けているのだ。このポジティブな変化を忘れないようにしよう。
2021/3/2 火 総合30日目 通院・全5週目
放射線治療19回目
栄養補給のためだけに味が分からなくてもと餃子を焼いてみた。が、味の想像がつかない自分に驚く。もう何がどんな味なのかというのが記憶の底に沈み始めている。人はこんな簡単に日常あったことを忘れられるのか。記憶にあるかどうかと、そのことをリアルに思い出せるかどうかとは別物で、それがどんなだったか思い出せるからその食べ物を食べたいという回路があやふやになってくると、食欲は急に失せる。
そうした状況は大変厳しいものの、何故か口の中の渇きは昨日あたりからあまり感じずにいる。不思議だ。
通常通り放射線治療を受けて帰宅。パートナーじょにお用にポークビーンズを作る。塩加減は当てずっぽう。いつも料理を作ってきたようにする。幸い、おいしくできたようだ。俺は適当な物を口に運ぶ。
何となく浮遊感と倦怠感があり、熱を計ると37.4℃。解熱剤と抗生物質を飲んで横になる。
後頭部の下は結構髪の毛が抜けてきたようだ。抜け毛ではそうなっているであろうと予想がついていたが、じょにおが目視で確認。
2021/3/3 水 総合31日目 通院・全5週目
放射線治療20回目
朝、熱は平熱に。バナナ一本とハムチーズパイを時間はかかったものの食べる。家事を少しして、昼間にフジッリでカルボナーラを作ってみるが、味が感じられないのでほとんど食べられず。若干食事前に吐き気がし、制吐剤を服用。その後バナナを食べる。右の首でぽつりと一箇所皮が剥けたようになっている箇所を発見。いよいよかと思う。
午後病院へ。治療と診断を受ける。右の首の皮の剥けた箇所があるのを言ったのにその箇所を触られる。あの女医は共感力や想像力が足りないようだ。
夜、ふと思いついてロールパンを焼く。無論、味は感じないのだが、焼き立てのパンの香りとしっとり目の食感で、2個食べられた。
この日から栄養を考え、マルチビタミンのサプリメントを摂取する。マルチビタミンサプリメントの習慣がないので、そんな単純なことを始める事が今にならないと気づかないとは。今のところ、ビタミン不足による不調はなく、またそれまでもビタミンB2、B1、Cは別途薬で摂っていたとはいえ。
2021/3/4 木 総合32日目 通院・全5週目
放射線治療21回目
朝、5時過ぎには目が覚める。体調はまずまず。昨日気にかかっていた右首の皮膚が剥けている所は、もちろん一朝一夕には治らないものの、保湿剤とステロイドでケアし、少なくとも触らない限り痛みが気になることはない。午前中は部屋の掃除など。
昼には犬の散歩にも行けた。定時に放射線治療。今日からまた照射方法が変わるとかで、マーク付けなどを変更した。
夜、食事後やや倦怠感があり、夜寝をした。熱はなし。
2021/3/5 金 総合33日目 通院・全5週目
放射線治療22回目
食欲があまりない。エネルギーが入らないと動く意欲がわかない。そのせいか、放射線治療と診断を終えて帰宅する頃には倦怠感と疲労感で具合が悪く、自分の食事の買い物をして帰宅し、犬達の世話をすると、もうぐったり。味のしないミネストローネに少量のパスタを加え、ようやく食す。
9時頃やや寒気、発熱37.6℃、解熱剤服用。疲労感著しく食事の後片付けできず放置。そんな中、先住犬のプットニョスがじょにおのいないのを不満に思っているのか、おしっこを頻繁にする、寝室に行っても前脚をペチャペチャ舐めたりベッドから下りるなど手を煩わせ、イライラする。
2021/3/6 土 総合34日目 全5週目
放射線治療なし
朝には平熱に戻っていたので悪寒はなし。倦怠感もやや改善。朝食にはプロテインドリンク(ワークアウトを習慣にしていた頃の一回分の半量)、バナナ一本。まだ数本あった残りは低温のオーブンで半乾きに。体積をを減らしてカロリーを確保しようかと。
昼にらうな茶漬けをしてみた。味はもちろんしないのだが、お茶の香りは分かるし、お茶の渋味、鰻の脂気は何となく感じるので、鰻半尾とお茶碗軽く一杯分のご飯を食べられた。鰻はカロリー確保的にもいいかもしれない。
味覚を失っているのに、口に何も入っていない時には無味ではなく、何か甘酸っぱいよあな感覚がある。これは3、4日ほど前から顕著になってきたのだが、むしろ食べ物の味を感じないことよりも鬱陶しい。何故なら、何かを飲み食いしている時よりも、いない時の方が圧倒的に長いからだ。感じ取りたい時に感じられず、感じたくない時に感じられる物があるというこのアンビバレンス。意識を肉体以外のところになるべく逸らせることが必要だ。外界の対象物に意識を集中して、身体感覚を意識の外に出さねば。
喉の奥に攣れるような感覚がある。が、痛いほどではない。
じょにおは出張の予定を詰め込んで早めに帰ってきた。当初は明日午後の帰宅予定だった。いてくれるだけでありがたい、安心感が違う。
2021/3/7 日 総合35日目 全5週目
放射線治療なし
午前中体調はまずまず。またお茶漬けを食べる。もともと他の味がないとご飯粒を余しがちだったのに、今はそれそのものは基本的に味付けがないお茶漬けが一番違和感なく食べられる物として重宝している。そしてこんな事を発見するのに、もう5週目も終わろうとしているこの時点になってからようやく発見するとは。