癌再発の治療記録2021 4/7週目


2021/2/22 月 総合22日目 入院2回目1日目

放射線治療14回目

朝8時半過ぎに家を出て病院へ電車で向かう。前回の抗がん剤初回投与時には退院しようと思えば土曜には退院できたが、何ぶん初めての体験で、パートナーじょにおが出張で不在の最中、一人自宅にいて予期せぬ不調があったら不安と思い、土日も病院にいた訳だが、今回は一通り経験してあるので土曜日辺りには家に帰れればなと思う。ただ、抗がん剤2回目、放射線治療も半ばに差し掛かるとなると、体への負担はどうなのかとも思い、これは日が来てみないと分からない。

入院手続きをしてレンタルパジャマに着替え、諸々を経て病室に落ち着く。今回はベッド数の都合か、頭頸部のフロアーとは別の階。

昼食はカレー。味が薄く感じられたが、完食。午後、まずレントゲン撮影。何のためだか分からないが、唯唯諾諾と従う。放射線治療の後、CTシミュレーターの撮影。1週間前に前倒しで撮ったが、また放射線照射の出力等の変更プランがあると、直近の状態を把握する必要があるとかで。

夕食は軽食メニューに変更してもらったのだが、(自分にとって)味のしないコーンスープ、果物少し、乳酸菌飲料のみで、あまりにも物足りず。何か買いに行くかと思っていたが、その後明日からの投薬のための点滴をつけ、予めの制吐剤を入れたら、悪寒がして1時間ほど布団をかけて寝る。熱っぽくだるいなとナースコールするが、誰も来ず、熱を計り直している間に熱は下がってき、とりあえずヨーグルトを食べる。後、玉子サンドイッチと小さなプリンも食べたが、ほぼ修行。嚥下能力を確保しておくためと、カロリー確保のため。 

2021/2/23 火 総合23日目 入院2回目2日目

抗がん剤2回目投与
放射線治療なし

今日は祝日のため放射線はなし。朝起きると抜けた髭がベッドに散らばっていて、副作用を実感。髭にさして思い入れはないので、感想としては予想通り抜けてるな程度で、さほどショックではないが。

午前10時半過ぎ、点滴開始。まずは吐き気止めから。これから1日かけて入れていく。初回には細かく投薬予定の書かれた紙をもらったが、今回はなし。都度何を入れるのかは説明があるので、正確にやってくれればそれでよい。副作用がそこそこで収まることを願う。15時22分、抗がん剤シスプラチン投与開始。予定通りの時間で投与を完了し、その後は生理食塩水等を入れる。妙に仕事のことをチェックしたり何だりと、少しハイな精神状態を自覚。そういえば初回にシスプラチンを入れた時にもPCで色々作業をやっていた気がするが、これもシスプラチンの影響か? 入れた直後には吐き気等は感じず、夕食も半分のメニューながら完食。

午後7時現在は平常。8時過ぎに予防的にオランザピンを服用し、9時現在平静。初回よりは小一時間早くシスプラチンの投与を終えているので、多分これを書いている今は、初回には異変を感じ始めていた頃にあたる。このまま穏やかに行ってほしい。

窓からの夜景。レインボーブリッジ(中央奥)から左手にお台場。
窓からの夜景。レインボーブリッジ(中央奥)から左手にお台場。

2021/2/24 水 総合24日目 入院2回目3日目

放射線治療15回目

昨夜は初回に経験したような吐き気や酷い悪寒はなく、深夜に眩暈がしたがそれも服薬で収まり、比較的よく眠れた。初回に感じた倦怠感もない。午前中に放射線科で治療と診察。口腔内の渇きが気になるので、乾燥防止のスプレーを出してもらうことになった。

髭に加え、左のうなじの辺りも髪が抜け始めた。放射線照射によるもの。頭部の左側下の方が抜けるとは聞いていたので、パーカーのフード等で後ろの襟元をカバーするか。

栄養士さんにコンサルトいただいて、食事に若干の工夫をしてもらったのだが、食前にシャーベットを食べて口中をさっぱりさせて食べるのはいい感じ。一方で、酸味は感じられるからとのことで、ご飯に添える梅ひしおを出してもらったのだが、逆効果だった。酸味だけが突出して感じられ、食べられなかった。難しいものだ。

鏡で見て、首の前側に多少の黒ずみと赤味があるのを発見。別途、この治療前にかかった皮膚科から出してもらっておいた保湿剤と副腎皮質ホルモンの外用剤で対応。

2021/2/25 木 総合25日目 入院2回目4日目

放射線治療16回目

もし放射線治療の回数が30回に減るのなら、これで折り返して後半ということになるが、下手な皮算用は行わず、粛々と受ける。首の表面にやや強い強ばり、表面に明確な赤味。

入院日に比べ1.5kg体重が増え、水分の排出を促すため、利尿剤を点滴で。点滴後は順調に排出しているよう。

昼食時、少し吐き気を覚え、制吐剤を服用。ほどなく収まってくる。昼食は味の相性が合わず、午後栄養士さんと相談のうえ、また変更してもらうことになった。昼間、蒸しパンを食べてみたのだが、甘味をますます感じにくくなっていて、まるでスポンジを食べているようだった。そして夕飯に素麺が出たのだが、塩味もますます怪しくなっているだけに、無味に思え、厳しさを実感。

夕方以降はさしたる不調なし、このまま退院と行きたいところだ。

2021/2/26 金 総合26日目 入院2回目5日目

放射線治療17回目

朝をパン食に変えてもらった。クロワッサンはバターの風味が旨味を感じない舌を補完してくれる気がする。カロリーも確保できるので、今後良いかもしれない。朝9時にシャワー浴びてすぐ放射線治療と診断。

放射線治療の後の診断では、来月に予定されているPET-CT検査が楽しみですね、と担当医。患部は順調に縮小していると。

昼食にはパンとミネストローネ、それにサラダ。パンにバター、サラダにはとろみのあるドレッシングが良いようだ。前にトマトスープパスタを試した時は、あまり味が分からず困ったが、コンキリエッテが入ったミネストローネは味が薄くは感じられるにせよ、美味しく食べられた。野菜からの味か。

歯科にもかかり、抜歯跡も順調に肉が盛れているとか。クリーニングをし、口腔ケアの薬を出してもらう。

夜にもさしたる不調はなし。前回のような微熱もない。明日は家に帰れる。

2021/2/27 土 総合27日目 入院2回目退院

放射線治療なし

早朝目が覚める。ルーティーンの検温・体重測定などこなし、朝食。冷凍野菜のサラダは味がしない。しばらくして軽めの吐き気がし、オランザピンを服用。落ち着いてきたところで退院準備し、会計を済ませて出る。

食べ物を「これは味を感じるだろうか」などと考えながら適当に見繕って買ってき、帰宅。犬達の反応は落ち着いている。昼食にフォーと蒸し餃子を食べるが、味はほとんど感じられない。蒸し餃子は酢に黒胡椒で食べてみたのだが、酸味もいよいよ怪しくなってきた。

昼過ぎにやや眩暈のような浮遊感。ほどなく収まる。午後は早めに帰宅したパートナーじょにおに犬達の散歩を頼み、ゆっくり過ごす。

夜にはミネストローネにパンチェッタを加えて茹でたコンキリエッテを加えた物を食べる。極めて味の薄い野菜スープのように感じられるが、幾分マシ。食後のデザートにいちごを食べたが、ほぼ味なしに感じる。

こうなると何を入れても同じに思えるが、油気はまだ救いになるかと、マヨネーズを用意してみた。我が家の冷蔵庫に自作でないマヨネーズが入るのは、いつぶりだろうか。マヨネーズだけでは味も飽きるだろうと、ニンニクのコンフィを作っておく。時折ペースト状にして混ぜて、風味にバリエーションをつけると良いかと思い。

2021/2/28 日 総合28日目

放射線治療なし

朝、レリッシュと茹で玉子の刻んだのをマヨネーズで和えてクロワッサンに挟んで食べてみた。やはりここからはもう食事は治療の一環としての栄養補給と割り切った方がいいようだ。しかし味のしない物を飲み込む作業は辛い。ふと、胃瘻の方がこの期間は楽か、などとさえ思う。嚥下を長らくしないと、きっとそこが衰えて、食事開始のトレーニングをせねばならず大変なのだろうが。

昼、腹を下す。発熱し始めるとまた抗生物質服用だが、今のところ発熱はなし。頓服の止瀉薬を服用。昼過ぎには体調は安定していたので、犬達の散歩に行けた。帰宅して紅茶を飲み(お茶の渋味を感じるのは味蕾細胞ではなく粘膜らしいので、味にあまり違和感がない)。

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