2泊3日沖縄旅行 1日目


閑散のアーケードと国際通り

俺にとって那覇は2度目。じょにおは3度ほど来ている。俺が初めて沖縄に行ったのは、8年前のことだ。お互い一緒に来たことはなく、二人共かなり前のことになる。お互い、過去の記憶と対照しながら、公設市場に続くアーケードや、国際通りを歩く。日曜の夕方だ。今までなら、気だるい夕陽の中、店の呼び込みやら宣伝の声が賑やかな中、人々が行き交っていた観光名所。

それが今は、寂しい。もちろん、コロナの影響だ。国際通りはシャッターが閉まったままの店が、ざっと見、3割はある。ビル1棟丸々空いているとか、更地になってしまった所もある。諦めにも似た寂寥感。それでも諦めきれないとでもいうかのように、客の入らないまま営業している土産屋。以前は地元の人が椅子を店の前に持ち出して飲んでいるような飲み屋を見た時には、沖縄らしいおおらかさと生活の自由さを感じたものだが、そんな光景も、「飲まなきゃやってられるか」というヤケのようにさえ見える。

今、旅行に出費できる人は、コロナの影響を幸いにも受けず、かつ経済的にゆとりのある層だ。当然、年齢も上がる。となると、従来修学旅行生をあてにしていたような安価でポップな物を売る店には、金を落とさない。修学旅行は、来ない。中高生の小遣いで買えるほどの金額の商品がメインに並ぶ店では、商品のポップさと対象的な虚しい空気が、来るはずだった客の代わりに空間を満たしている。店の空元気は、果たして閉じてしまわなくて良かったといえるものなのかどうか、訝しい。

国際通り。人のいない歩行者天国が哀しい。
国際通り。人のいない歩行者天国が哀しい。

途中、じょにおと俺は、とあるアパレルショップに入った。シンプルシックなアイテムが並ぶ店で、オーガニックコットンのTシャツを2枚買った。遠慮がちな接客の店員は年若い。ホテルで渡されたGo Toトラベルの地域共通クーポンを差し出すと、それと引き換えに、彼は丁寧にTシャツをたたみ、パッキングして、我々に手渡した。それを受け取り、礼を言って店を出た。(次ページへ)