パートナーシップ契約の公正証書認証につき日本公証人連合会に申し入れ

過日、パートナーシップ契約に関する公正証書を作成した件については、このブログを色んな方々に見てもらい、「作成の流れがわかりやすかった」「費用がいくらくらいなのか知れてよかった」などと反応をいただいた(注:我々カップルは作成について万全を期してフルセットで行ったので、高額の部類)。

その中でも触れた、高田馬場公証役場での認証を断られた件につき、11/13(水)に、そのようなことが以降ないようにと、日本公証人連合会に申し入れを行った。申し入れには、パートナーじょにおは仕事で行けず、俺と、我々カップルが公正証書作成を依頼した行政書士永易さんの他、もう1名の行政書士も同行し、俺と計3人で日本公証人連合会に赴いた(弁護士1名も参加の予定だったが残念ながら病欠)。場所は東京公証人会と同一で、後述するが、東京公証人会からも人が出て対応にあたっていただいた。したがって、正確には両会への申し入れである。

公証人連合会の入るビル。霞が関にある。
公証人連合会の入るビル。霞が関にある。

申し入れに対応していただいた公証人側は4名。申し入れ側の我々(というか永易さん)が申し入れ文書をとりまとめ、それをもとに話をした。1時間の話し合いだったが、結論から言うと、好意的で前向きな対応の約束をいただいた。

申し入れに使用した文書。
申し入れに使用した文書。

対応していただいたのは、以下4名の方。日本公証人連合会の林常務理事、同 下川総括理事、東京公証人会の小坂副会長、日本公証人連合会および東京公証人会事務局西潟事務局長(順不同)。

話は主に下川総括理事とのやり取りとなったが、下川さんは大変話の分かる方で、開口一番、「今回のことは非常に申し訳なく、法の下の平等にてらしてあってはならない事態、全国の公証人宛に通知を出し、かかる事態があってはまかりならん、文例もあるのだからきちんと受けるようにと周知する」とお約束いただいた。下川さんは、渋谷公証人役場で、実際に何組もパートナーシップに関する公正証書の作成認証に関わっているとのことで、テレビでも紹介されたことがある人だとか。今年6月にもLGBT関係の権利保護についてレクチャーをしたが、それも文章化して、今回の件も『公證法学』(日本公証法学会発行の機関誌)にも掲載したいとのこと。

そういった訳で、話はスムーズだったのだが、俺からは、今回の件については怒り心頭であったこと、そして、ツイッターでも反響があったこと、ツイートに対し、かつて渋谷公証役場で門前払いを喰らい大変不愉快な経験をしたという人の話、武蔵野市でも「できません」の一点張りで悔しい思いをしたというカップルがいたという話を伝え、公証人や公証役場は、公器としての役割をしっかり認識してほしいと申し入れた。
それに対する返答としては、「しかと認識をあらため、現在の公証人の中には現状に追いついていない人がいてレベルにばらつきがあるが、そういうことであってはならず、きちんと対応するように周知する」とのこと。また、拒否案件等があれば、下川さんに伝えてきてほしい、当該公証人に助言・指導を行うとの返答もあった。なお、渋谷公証役場でかつて門前払いがあったというのは事実だが、下川さんが渋谷公証役場にいるようになった前のことだったらしく、下川さん曰く「今はそんなことはないので安心していらしてください」とのこと。

なお、この申し入れをするに至った事案としての当の高田馬場公証役場の本人からは、この申し入れに先立ち、公証人連合会からヒアリングを行ったところ、反省の弁があったとか。

このところ、俺個人の心境としては、癌の再手術を控え、あまり晴れ晴れとした気分ではなく、自分の生活だけでも時折やる気が起きない心境になることがあるのが実情ではあるが(このブログを書くのが遅れた言い訳でもある)、これだけはやっておかねばと、永易さんのご協力もいただけるのを好機ととらえ、申し入れを行った。これで、これからパートナーシップに関する公正証書作成を行おうとするLGBTの人が、嫌な目に遭ったりすることなく、安心して手続きできるようになり、少し社会の役に立てたのなら、やった甲斐があったというものだ。
それに、私利私欲だけで生きているより、こうしたことを行う方が、不思議と生きていくことに張りが出る。そういう意味でも申し入れを行ってよかったと思っている。末筆ながら、永易さんには、多忙の所申し入れをアレンジしていただき、また、申し入れを一緒に行っていただき、深謝。


2 Replies to “パートナーシップ契約の公正証書認証につき日本公証人連合会に申し入れ”

  1. 差別との闘いには、それなりの労力が必要でそれも病とも闘っているのであればやる気が起きないことも致し方無いではと思います。ただこちらの意見が受け入れられたことは気持ち的にも安堵するものがありますね。こういう時って、やっぱり自分の為だけでなくて、誰かの為という命題があることがやる気に繋がりますよね。
    ところで話は違うのですが、公民館などの公的ものを利用しようとして場所を借りに行くと人気のある場所だったりするとあれはダメ、これはダメと使わせないようにいろいろ指摘することに遭遇するのですが、公務員であるならば住民がどうしたらその場所を使えるようになるかをアドバイスするのが仕事なのではないかと思うのですが、そういう公僕の方に出会ったことはありません。すみません、最後にこんな愚痴を書いてしまって
    もしかしたら今後利用するかもしれない我々の為に病身でありながら、行動されたことに感謝しています。ありがとうございました。

    1. これはおかしいと思ったことに対して声を上げられる人が上げないと、いつまでもそれはそのままでOKということになって慣行化してしまう危険がありますからね。こと公的機関については、不断の注意が必要なものと思います。
      誰かのためになれば幸いですし、自分の行動規範としても、これは良い体験になったと思っています。

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