東京レインボープライド2016参加


今年の東京レインボープライドはGWにプライドウィークとして美術展、講演など様々なイベントが開催され、目玉のプライドウォークは最終日の5/8日曜日。今年も参加してきた。東京でのパレード参加は2001年以来皆勤賞である。誰も褒めてくれないが。

快晴に映えるゲートのロゴ。
快晴に映えるゲートのロゴ。

パレードを歩くには、参加するフロートごとに登録が必要。登録は先着順受付で、今年は前日土曜日の夕方にも事前受付があったので、多少焦りつつ、日曜日の朝9時登録開始に合わせて来たら、まだ余裕があった。チケット引換制で1人1枚のため、じょにおと並んで受付は完了。段々増えていく人の中、会場に設けられたブースを見て歩く。

ブースを見て回る。
ブースを見て回る。

今年はブースも増えてかなり賑やか。人出も多い。前日の土曜日と合わせ、延べ7万500人の来場があったとか。パレードウォーク参加者は約5000人だったそうだ。ブースが多く、各々を写真に撮ることはしなかったが、一通り眺めての印象は、数が増えただけでなく、種別が多様化したことがまず挙げられる。俺とパートナーは同性婚法制化のための人権救済の申立人になっているのだが、そうした法制化を見据えての活動団体のブースもあり、ウェディングのコンサルティングや、カップル写真撮影のブースなど、昨今の同性婚への注目度が上がるのと同時に婚姻関係を意識した趣旨の物が多くあったことが個人的に印象に残った。

代々木公園に渡る陸橋の上から。これはパレード後に写したもの。
代々木公園に渡る陸橋の上から。これはパレード後に写したもの。

何もそうした堅苦しいものだけではなく、物販や観光ガイド、協賛企業、北欧を始めとする各国大使館のブースなど、面白いものもたくさん。そういえば逆に、アダルトグッズやDVD等の出店は相対的に少なくなった。数年前までは真昼の日差しの下で見るのがためらわれるような物もあったと記憶しているが(そうした物や店が存在してはいけないとはまるで思わないが、イベント趣旨と場所等にふさわしいかどうかという観点は別にあって構わないだろう)、より万人が馴染みやすく、会場もカラッとした雰囲気になったのが今年だった。

この賑わい。
この賑わい。

今年は協賛企業も増えて、渋谷の街なかにもレインボーが見られた。丸井、Lush、GAPなどが店頭にレインボーをあしらっているのが特に目立っていた。

丸井の店頭にはためくレインボーフラッグ。
丸井の店頭にはためくレインボーフラッグ。

丸井は他店内にもレインボーフラッグがあしらわれていたし、OUT IN JAPANのミニ展示会などもあった。パレードが開始されると、プロジェクターにパレードの様子が映し出されるなど、丸井はかなり協力的だったようだ。

さて、パレードは例年よりも少し早まり、正午スタート。整列して待つ。日差しが強かったが、幸い並んでいた所は木陰で助かった。我々はOUT IN JAPANのフロートに参加。

他イベントと会場が隣り合っていたため、複数箇所に別れて整列した。我々はステージ裏。
他イベントと会場が隣り合っていたため、複数箇所に別れて整列した。我々はステージ裏。
整列場所で設置をやっている友達ともしばらくぶりで遭遇。友達の手が汚れているのはそのせい。
整列場所で設置をやっている友達ともしばらくぶりで遭遇。友達の手が汚れているのはそのせい。
フロートが出発間近になるとスタートポイント付近に移動。期待感が高まる。
フロートが出発間近になるとスタートポイント付近に移動。期待感が高まる。
フロート。ミュージカルプリシラとのコラボ。
フロート。ミュージカルプリシラとのコラボ。
公園通りを渋谷駅方面に下る。
公園通りを渋谷駅方面に下る。

今年は渋谷のスクランブル交差点を通り、明治通りへ抜けるコースになり、少しルートが長くなった。本来そのコースを希望していたが、警察等との道路使用許可を巡る折衝で長年叶わなかったコースだ。その辺りは渋谷区がパートナーシップ公証制度を採用するなど、行政面での影響が良い方に出たのだろう。

行進中。
行進中。

信号待ちなどが長かった印象だが、約1時間15分かけて代々木公園イベント広場→NHK前→公園通り→渋谷駅前→明治通り→神宮前交差点→原宿駅前神宮橋交差点→スタートポイントのコースを歩いた。

歩き終えたところで、別フロートで歩いていた友人とも落ち合う。

パレードを歩いた人達だから顔出しはもちろん大丈夫とは思うのだが、写真をもらった人はツイッターで鍵付きなので一応その他の人達を掲載。
パレードを歩いた人達だから顔出しはもちろん大丈夫とは思うのだが、写真をもらった人はツイッターで鍵付きなので一応その他の人達を掲載。
そしてじょにお(右)と。じょにおはウィンクしているのではなく、眩しくてこうなった。(笑)
そしてじょにお(右)と。じょにおはウィンクしているのではなく、眩しくてこうなった。(笑)

今年はスピーチゲストにサプライズでケネディ駐日大使が登場したとか。世間の関心は徐々に高まっているようだ。ただ、当のLGBTを見ると、レスビアンやトランスセクシュアルは頑張っているが、ゲイは無関心な人々も多いのが気になった。独り身がそのまま暮らして行こうと思えばさしたる不便もなく暮していけるからなのか。社会的な抑圧や結婚のプレッシャーなどは不便ではあるとは思うが。それとも享楽文化を享受できていればそれ以外はどうでもよいということか、はたまた今の政治と同じでダンマリを決め込んでただある現状に甘んじる生活に慣れきってしまっているのか。会場を見渡しても、クラブなどで遊び歩いている層とは異なる層がメインであることに気づく。

そうしたゲイの現状を憂うのとは別に、周りのストレートの人々には勇気付けられることも多い。普段の生活でも、むしろこうしたことごとに対して反応の言葉をかけてくれるのは、ストレートの人々だ。我々LGBTが声を上げ可視化するのは、無論ストレートが主たる構成員である社会に参画している現実に存在する者なのだということのアピールである訳で、周りへのアプローチは重要だと考えている。そのことは普段実践していて、そのうえでのマスアピールの機会がパレードな訳だが、個別のアプローチでもマスでも、その順番は問わない。ただ、個人的なアプローチも社会的な立場も、両方がうまく回って初めて生き良い社会になると思っているので、両方を大事にしたいと思っている。

長年パレードを歩いてきて思うのは、いつの時代にもまだ声を上げる勇気が出ないという段階の人はいて、何事にも初めてということはあるし、初めてのことは勇気が要るので、それはそれで当然だと思う。それでも関心を持っていてくれれば。そうした人達は、今まで見てきて必ずアクションを起こすに至る。
問題は、こうした行動を起こす人々に対して、そっとしておいてくれとか、鼻から関心がない層なのだが、結局またそうした人達も、もっと社会状況が良くなれば自然表に出てくるだろうし、何もアクションを起こさなくても制度が整うなりしたらそのメリットを棚ボタ的に享受することになるのだろう。

そうした人達をズルいとか怠惰とか非難したくなる気持ちは正直時々頭をもたげる。が、そこを超えて自分は自分としてやっていくことが、プライドの矜持たるものだろう。いずれにせよ、少なくとも清々しく誇らしい気持ちの共有を今年もできたことを喜びたい。rainbow

カテゴリー: LGBT

2 Replies to “東京レインボープライド2016参加”

    1. かずさん>
      コメントありがとうございます。
      ま、たまたまスケジュールが合ったってとこもありますけどね。(笑)

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