年の最後にフクが来た


昨日、暮れも押し迫って、買い物に出かけていた車の中で、晩ご飯を何にするか話していたら、じょにおが仕事関係の人からふぐが届いたよ、と言う。じゃあふぐ刺しにふぐ鍋かな、などと話していた。俺の頭の中の予想としては、スーパーであるような、円形に盛られたふぐ刺しパックと、ふぐちり用のブツ切りが上品な量で届く感じ。その予想のもと、とりあえずはゆずその他の薬味と鍋の具を買ってきた。ところが……

どどーん。
どどーん。

ちょっとこうやって見ると若干グロめ。もとい、極上の特大とらふぐ生食用が2尾分も入っていた。うーん。すごい。ていうかどうしよう。じょにおと2人では食べ切れそうにない量。そこで、ラッキーテレフォンをかけてみることにした。友達に電話をかけてみて、電話に出て、もしこの日夜に予定がなく食事の用意をしていなかったら、ふぐ料理に招待しよう、と。そしてかけてみる。

友:「もしもし」(電話に出た。まず第1条件クリア)
JOE:「ちわ。今夜って予定あったりする? ご飯何食べるか決まってる?」
友:「いや、別になくて、何食べようかと思っていたところでさあ」
JOE:「おめでとうございます! ただいま大変ラッキーなご当選のご通知をさせていただいておりまして。」
友:「・・・・。」

という訳で、うちにご招待したラッキーな人は(笑)、takashi。

さっそくさばくことにする(注:もちろんふぐは危険部位を取り除いて、身と皮だけになっているもの=「磨き」というらしい を、食べられる状態にする、という意味)。しかし、ふぐに包丁を入れた経験はない。まあいいや、何とかなるでしょう。背骨の横についている身に包丁を入れ、サクを取って、引き包丁でなるべく薄くスライスしては、一枚ずつ皿に並べていく。骨は頑丈だが、なんとかブツ切りも鍋用に作る。皮はもちろん湯引きで食べるつもりだが、そのままだとグニグニしている感じなので、さっと湯がいて氷水に取り、切りやすくなったものを切って盛って、何とか準備はOKに。

まずはふぐ刺しと皮の湯引きで。
まずはふぐ刺しと皮の湯引きで。

ちょっと写真だと分かりにくいが、結構な量。そしてやはり淡白な白身魚の料理に合わせるお酒といえば、Brutのシャンパーニュ。ということで、我が家の定番品Piper-Heidsieckを開けて、食事開始。うん、うまい。ふぐ刺しは、まあ職人がやるほど薄くはできないにしても、おいしく食べられる状態にはなった。そして量も大皿1枚分と、大満足。皮の湯引きは、お店だと「へ? こんなちょっと?」みたいな量しか出てこないが、これまたたっぷり。3人で食べていて、最後には若干飽き気味になりそうなほど。

つぎはふぐちり。こちらもまあ身づきのいいのをどっさり用意して、昆布出汁を温めて、開始。

ふぐてんこ盛り。
ふぐてんこ盛り。

当然、うまい。身がたっぷりのふぐちりは最高に贅沢。シャンパーニュもおいしく進む。ふぐをたらふく、という状態だが、〆をやらないことには。最後はやっぱり…

雑炊!
雑炊!

上品な出汁で、これまた極上の味。 いやあ、家でリラックスしながら、ふぐが堪能できるとは、贅沢贅沢。じょにお、来年ももらってきてね。(笑)

◇ ◇ ◇

とまあなんのことはない食い物の話が最後の日記になったが、今年はあの大震災と原発事故があったにもかかわらずこんなことをしていられるのは本当に幸運。運の問題でしかないとは思うが、それをせいぜい大事に思わなければ。今年もまたじょにお共々、いろんな人のお世話になり、本当に感謝。来年、それぞれに幸運が訪れますように。そして今不遇な状況にある人も、少しでもよりよい状態になりますように。皆さん、よいお年を。