言い値の歯の価値


2ヶ月ほど前のことだ。昼休みにバゲットサンドを食べていたら、「ガリっ」とよろしくない音がして、固い感触があった。だいぶ前に治療した歯の被せ物が取れたらしい。近所の歯医者に予約を取って診てもらうことにした。前のは、詳しいことは忘れたが、色を揃えて作ってもらった自費治療だった。単純に取れたのではなく、割れたので、一応とってあった被せ物はもう使えないようだ。

そこで新しく被せ物を作り、土台からやり直すことにした。場所的に、笑ってギリギリ見えるかどうかくらいのところだが、口元の印象は大事。結構微妙なところで大きく違うものだし、耐久性や、体との親和性も考えて、今回は根本というか芯というか土台をグラスファイバーで作り、土台との接合部分を金で、表をハイブリッドセラミックで作ることにした。

値段は、土台が税抜2万円、歯が8万円。もちろん、1本の値段だ。要するに1本10万円ということ。こういう自費治療というのはなんとも切りの良い値段を付けているものだ。値切ろうなどとは夢にも思わなかったが、こういう値段のつけ方がまかり通っている業界というのも考えて見れば珍しい。でも、歯医者はコンビニよりも多いなどと言われている時代で、競争も激しいから、そのうちレーシック手術のように値段競争も出てきたりするのかもしれない。あるいは、2本やると2本目が5割引とか。(笑)ひょっとして、俺が知らないだけで、既にそういう売り込みをやっている所はあるのか?

さて、その歯医者、仕事後に営業、じゃない、診療している所だが、夜は診療予約が取りにくく、最初行ってから数週間後を繰り返して、今になってしまった。一度はまな板に乗せられて待っていたら歯医者の手が空かず、診療になってレントゲンを撮ろうとしたらレントゲン技師が帰ってしまっていて、クリーニングしかできなかったことがあって、次にちょっとそれを言ったら、費用がかからなかった。

それはそうと、今かかっている担当の歯医者がゲイっぽい。ド短髪でキラキラ瞳の、きじまりゅうた系。で、接客、じゃない、患者対応に気をつけているからそうなるのかもしれないが、行くと、「はぁい、こーんばーんわあ~、◯◯さん」 「はぁい、じゃ、椅子倒しまぁ~す」 「ちょっとお水でま~す」みたいに、語尾がゆるい口調なのである。まあ、歯医者がストレートだろうがゲイだろうが、治療がうまければそれでよくて、歯医者がゲイかどうかなどはどうでもいいといえばどうでもいいのだが、行く度にそのゲイっぽいルックスとゆるいしゃべりに、「この人はゲイなんだろうか」と思ってしまう。人のことは言えなくて、一昨日はぴっちりしたタイトフィットのTシャツに短パンで受診に行ったから、向こうは向こうで「…だよなあ」と思っているだろうが。

ところで、審美歯科というものがあるように、審美的に・個人的に歯並びはとても大事なポイント。大きさが粒ぞろいかどうかは遺伝もあるからそこまで求めはしないにしても、きれいに揃った歯で爽やかに微笑まれると、コロっと行きそうになる。いや、行った。じょにおがそういう歯並びの持ち主なのだ。よく、服だのバッグだのにお金をかけているのに歯並びが残念な人がいるが、ああいうのは服飾品に金をかけるまえに、そこに投資するべきだと思う。服やバッグはその時々のことだけだが、歯はずっと・長期間それと付き合うものなのだから。それに、日本ではあまりこういう考え方がないが、アメリカなどでは歯並びをきちんとしておくのは、エチケットというか、ある程度以上のクラス(いやらしい言い方だが)では必須という考え方があって、自分に望まない低評価をされないためにも重要。歯は矯正できるならした方がいい。健康にも影響する。歯並び以外に問題があるなら、自費治療でなくてもいいから、きちんとしておくことをお勧めする。