今のうずうず


震災が起きて、もうじき2週間になろうとしている。皆、努めて冷静になろうと努力をしている。それはもちろんとてもよいことだ。パニックが起きてもおかしくない状況で、こんなにたくさんの人がジェントルに規律正しく振舞うというのは、史上稀に見ることだし、AERAのようなバカなアジテーションは批判され、皆(AERA除く 笑)、正確な情報に基づいて行動し、そしてそうした理性的な自分達が社会を形作るのだということを知っている。教養が高く、協調性のあるあり方にはびっくりするほどだ。(AERA除く 笑)

批判を浴びたAERAの表紙。前から人の不快感を煽って宣材にする下品な雑誌と思っていたが、やはりしでかしたか。
批判を浴びたAERAの表紙。前から人の不快感を煽って宣材にする下品な雑誌と思っていたが、やはりしでかしたか。

なのだが、特段気を使わなくても平和でいられた頃とは違って、この今の秩序は各人の必死の努力に基づいているわけで、その下には鬱積した不満が渦巻いている。針で突いたらパンとはじけそうな憤懣が、行き所を失っているのは皆感じていて、表面の平静は表面通りでないと知っている。

通勤電車が「お客様同士のトラブルにより」止まったり遅延したりするのに、地震以来数度遭遇した。自分の中にしまいきれなかったのだろう。普段、そんなのは多くても半年に1回くらいで、いつもは人身事故とか踏切内立入とかが電車が止まる主原因だ。そういえば、人身事故は目に見えて減った。利用する電車の遅延情報通知メールを受信しているのだが、地震前は毎日必ず、ひどいと数回はそうした通知が来たのに、地震後は、中央線・山手線・西武新宿線合わせて今まで3回しか通知が来ていない。(しかも1つは「救護活動」というので、そうした事故原因に含まれるのかどうか不明)人が生きようと頑張っている様子や、各人が理性的に行動しようとしている様は、自殺に抑止的にはたらくのだろうか。

それにしても、誰もが内部に不安や不満、怒りやフラストレーションを抱えたまま外見が平静を装っているこの状態では、(自分もそういう状態だと思う)非常にストレスがたまる。先週末くらいから、左目の上まぶたの痙攣がたびたびあって、おそらくこれに起因するのだろうと思う。まだこの程度でおさまっていてマシなのかもしれないが、体をもって今のこの、内包されたものの存在を認識した。原発のことにしろ何にしろ、早く安定してほしいものだ。