夢のない夢


最近、寝ても仕事の夢ばかり見る。とてもつまらないだけでなく、起きて仕事の夢だったと知ると、夢まで仕事だったのかということと、純然たるプライベートの時間(? 寝ている間に夢を見る時間はプライベートだと思うが、変な感じ)に仕事に時間を奪われたという思いで、がっかりする。

大抵夢というと、時間軸や筋立ての脈絡はあってないようなもので、空間も繋がりがおかしかったりするものだ。それがまた夢を面白くしているのだが、最近見る仕事の夢は現実世界でも充分あり得る展開で、それがまたつまらない。例えば、あくまで夢の中でだが、とある人と組まないといけないプロジェクトがその人のおかげで遅れていて、俺は進捗を待っている。今は年末で、このままだとこの仕事は年を越してしまいそうだ。面白くないと思っていながらデスクにいると上司からメールが来て、「新年はまず笑って○○さん(その人の名)と挨拶」という内容……、というような夢。

あるいは、他の場所で打ち合わせをして自席に帰ってみると、近くのデスクで誰かが外来の人と打ち合わせをしていて、自分の椅子が持ち出されていて座れない。おまけに近くの席の人が異動のために荷物を整理している最中で、段ボール箱が自席前を占拠している。近くの打ち合わせ机の椅子を使おうと引っ張ってくると、俺の椅子を使っていた人が、その椅子を戻しにくる。その人が「打ち合わせ机の椅子は間に合わせの奴で、座りにくいですからね」と言うので、俺は答に「元の(自分の)椅子も間に合わせですけどね」と返す……、というような。

いずれの夢も現実には起こっていないが、起こっても不思議ではない夢で、ストーリーがあまりに現実的すぎ、場面や場所の展開がなさすぎる。夢に夢がないのだ。これなら前の夢日記に書いたようなグロテスクな夢の方が、まだいい。夢見るような夢を見たい。