発想の豊かな(グロい)夢


日記が一週間も空いてしまった。その間特に変わったことはなく、平和に過ごしていた。土日も特別変わったことをした訳でなく。さて、そんな経緯で日記を記すにも何もないのだが、ゆうべは寝る前に久しぶりにワインを飲んだせいなのかどうなのか、奇妙な夢を見たので、また夢日記を書いておく。

2009/11/15夜の夢日記:

俺は研究員で、何かの誘引物質について研究している。同じラボには他に2名の研究員がおり、1人は成績優秀な、外見からしてできる感じの男。年は30代前半位。もう1人は、ちょっとオルタナな感じのする、不良娘といった風情の、少しぽっちゃりした女だ(ちょうど『チャーリーズ・エンジェルズ』のドリュー・バリモアを思い浮かべてもらうとぴったりだと思う)。

さて、研究室では問題が持ち上がっていた。真面目に成果を上げていたと思われていたのに、その日1日、俺を含む3人の研究員が、研究をサボっており、それが出資元にバレたのだ。1日を終えて研究室には出資元の大学かどこかから女の上級研究員(か先生だか)が来て、俺達は絞られていた。その女は釣り目のメガネをかけており、ちょうどデオドラントスプレーのコマーシャルに出ていたにおいチェックの女みたいな感じの外見。「真面目だと思ってたのにねぇ…」と嫌みたっぷりに言いながら、教室のような部屋で着席した俺達の周りをカツカツと歩き回って、所持品のチェックをする。男の研究員の鞄からは、漫画やら何やらが出てくる。男の研究員はうなだれており、女の研究員は所持品検査をされる前に既にふてくされて、脚を組んで机の上に投げ出している。何故か俺はお咎めなし。

翌日、昨日サボった罰としての過酷な実験が行われる。研究している誘引物質は人が携えても効果があるかどうかを調べるのだ。『クリノリン』という名前の誘引物質を染み込ませた試験紙に、ピンセットか何かで固定したハエを近づけると、ハエはクリノリンを求めるように脚を動かした。

なお、クリノリンとは、実際はヨーロッパで用いられた、スカートを丸く大きく膨らませる骨組みのこと。

クリノリン。
クリノリン。

夢では薬品の名前は誰かから告げられた訳ではないが、誘引物質は『クリノリン』という名前であるという前提だった。女性を魅力的に見せるためのものであった本来のクリノリンを、その語感から誘引物質の薬品名にするとは、夢の中ながら、わが頭の発想はあっぱれである。(笑)

夢はまだ続く。

そして実験が始まった。ジッパーでぐるりと周りを閉じる塩ビの衣装ケースのような狭い密閉室に、俺達3人はクリノリンを持って入る。そこにショウジョウバエのような小さいハエが、CD位の大きさの円形に空けられた投入口(左上の人間が立つとちょうど頭の辺りの高さにある)から投入される。ハエは見る間に増えていき、我慢できなくなった俺は、外に出る。ケースの中を見ると(ケースは半透明で、外から中の様子を見ることができる)、残っている男女の研究員は虫にたかられている。何かのスイッチだかスプレーの噴霧ノズルを押すと虫を一瞬にして駆遂できるのだが、駆遂の効果を確実に発揮させるためか、実験を続行させるためかは分からないが、俺は外から自分の出た入口を手で押さえている。中を見ると、いつの間にか虫はハエから胴体の細いヤスデのような茶色い虫に変わっていて、男女の研究員のほぼ全身を覆いつくし、下肢の方は虫で埋もれている。研究員は生きてはいると思うが、じっと動かない……

ここでアラームが鳴って目覚めた。夢判断によると、不快な虫の類は体に生じる生理的違和感から来るらしい。ゆうべ寝るとき、ワインを少々飲みすぎたせいだろうか。

しかし相変わらず夢のことは細かく覚えている場合が多い。数日前には巨大なワニをロシア風宮殿前の階段で見ている夢や、透明な池の水底に10メートルほどの亀がいる夢を見た。ワニを見るのは、「友人になりたがっている人が居る。有力な援助者。問題解決。事態好転。」を、立派な亀が現れるのは、「幸運のサイン。家族運良好。一家繁栄。健康。長寿。事態好転。」を暗示するのだそうだ。気持ちの悪い光景の夢を見る一方で、都合の良い夢も、相変わらず見ているのである。

ところで、夢見でもう一つ、気にかかるというか特徴的なことがある。それは、いつもストーリーのちょうどいい頃合で見終えるということ。起きる時間が決まっていない休みの日に、大体見終えて目覚めるというのなら、そういうこともあろうとは思うが、この夢のように、何となくそこで区切りが付きそうだなと思う頃に、(今朝は『ここから先は続編っぽいな』と、夢を見ながら思っていた)ちょうど寝覚めの時間が来るのだ。まるで、起床時間を逆算して夢を見始めるように。不思議なことだ。

これはひょっとしたら、1)夢を見終える⇒2)また深い眠りにつく(意識がない時間)⇒3)目覚め、とステップを踏んでおり、2)が意識されないので、まるで夢を見終える頃目覚めるというだけのことかもしれない。しかし、本人の意識としては「ちょうどこの辺で」という頃に起きるという感覚なのだ。あるいは、夢を見ていて「あ、これは夢だ」と意識していて、「もう少し続きを見よう」と思って夢を延長させることもできたのだが(最近はこれはやっていない)「ここら辺でいいな、この先はどうしようか展開も迷うし」と思うと目覚めるという場合もある。夢とは、面白いものだ。