プットニョス、膵炎


現在進行形でこれを記すのは、何かしていないとどうにも心が落ち着かないからだ。

プットニョスが下痢をしたり吐いたりして医者にかかったことが度々あった。2度、ジアルジア(鞭毛虫の一種)が原因と診断され、虫下しと共に胃腸の調子を整える薬を服用させつつ、クレートや普段いる環境を徹底消毒した。

ところが、昨日の朝のこと。出勤前のじょにおがシャワーを浴びている時に、寝室でまだベッドにいると、ドアを爪でノックする音がする。いつもの朝の挨拶だな、と寝ぼけまなこでドアを開けると、隙間から入ってくるプットニョス。ベッドに飛び乗るのだが、少し便臭がする。「ん?」と見てみると、シーツに便が付いている。

「わ!」と飛び起きてプットニョスをベッドから下ろし、プットニョスのトイレを見に行くと、下痢をしている。ゼリー状の便で、よろしからぬ予感。トイレを始末し、プットニョスの尻を拭き、人間のベッドのシーツも取り去って即洗いに出す。

じょにおは支度をして仕事に出かけて行った。と、プットニョスが嘔吐の動作。その後、3箇所に嘔吐、そして相前後してまた下痢。これはいかん、と、獣医に連れて行く。その間にも、さっきベッドに自力で飛び乗れたとは思えないほど辛そうにしている。

獣医で診察室に入ると、いつもは獣医やアシスタントに愛想を振りまくのに、全くしない。背中を丸めて座っている。そしてずっと視線を俺にくれている。これはいつもと違う。経過を獣医に伝え、念のため持ってきた便のサンプルを渡す。便の検査の他、血液検査とエコーもするので預かるという。プットニョスを預けて一旦帰宅する。

1時間強して獣医から電話。獣医曰く、膵炎だ、と。そしてクロストリジウム(犬猫の胃には常在するが異常繁殖して腸などに入るといけないらしい)の腸炎もあり、胃に胃液が滞留しているとか。要するに、膵臓、肝臓、胃、腸と、洗いざらい調子が悪いということだ。点滴・注射その他の処置をしてもらうことにし、夜に迎えに来るようにと指示が出たので、また夜に引き取りに行く。

どうやら膵炎は重度らしい。肝臓GPTの値も高く、翌朝また来て点滴等で治療し、夜また迎えに行くことになり、一旦引き取るが、依然辛そうにしている。

一旦帰宅したプットニョス。脚に点滴を入れる管をつけたまま。
一旦帰宅したプットニョス。脚に点滴を入れる管をつけたまま。

帰宅してしばらくして。犬用ベッドに横たわっていたプットニョスの目が異常に充血しているとじょにおが言う。確かに。もう一度獣医に電話し(夜間治療を受け付けている)、大慌てでもう一度動物病院に連れて行く。午前中は俺一人で連れて行ったが、今度はじょにおと。

眼圧検査をすると眼圧が高い。日がな一日点滴をしていてそれを抜くと、浸透圧が急に変わってそうなるのかとも思ったが、その説明はなく、ともかく通院ではなく即時入院させて、フルケアであたるというので、そのまま入院。
普段出かけた先では、病院にせよドッグトレーナーさんの所にせよ、預けると後を振り返りもしないたちのプットニョスが、じっと、いつまでも、俺の顔を見つめたまま、獣医に抱かれて奥へと連れられて行った。

帰宅するが、どうにも落ち着かない。じょにおも曇った表情をしている。ツイッターに緊急入院の旨つぶやくと、温かい励ましをいただくが、何せもう預けた以上は祈る他できることはなく。

外は妙な天気。うちの周りはほとんど降っていないが、埼玉や千葉の方では豪雨。眠れず、プットニョスの写真を見返したりして、PCの前に所在なく座り、酒を飲む。そのうち、窓の外が光り始め、遠雷の音がする。その方角は、ちょうどプットニョスを預けた病院の方。時刻は午前3時。

大丈夫、きっとプットニョスは大丈夫。

『プットニョス、危機を脱す』に続く

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