50代に入って


過日、誕生日を迎え、いよいよ50代に突入した。しかし、何が変わったかといえば、変わったのは年齢の数字位。その数字を頼りに振り返ると、自分の頼りなさとちゃらんぽらん具合にため息が出る。もう少し何か形にはならなかったものか。不惑の年代を、惑いっぱなしで徒過したように思える。

その一方で、自己弁護すると、途中で諦めずよく半世紀生きてきたものだとも。「私の人生暗かった」と歌った歌があった気がするが、毒親の毒にすっかりあてられて精神的に抑圧された長年や、かつてのパートナーの急死、続いて和合を見ることなく父が自殺したことなど、それらをよく超えてきたものだと、耐えたり乗り越えたりしてきたことについては、労ってやってもいいのかもしれない。(詳しくはプロフィールのダークサイド参照 陰鬱な内容にあてられやすい人は閲読注意)

40代は、ほとんどを今のパートナーじょにおと過ごした。上向きで楽しい時代を過ごせたのは、兎にも角にもパートナーのおかげであり、すっかりじょにおの父母兄弟や親戚とも馴染んで、法的には繋がっていなくとも、実質として真の家族愛に包まれることは、望外の幸せを手に入れたと言っていい。人生とは予測のつかないものだが、それより前までは、予測のつかないといえば、困難についてがほとんどだった。

無論、友人にも数々助けられた。俺の交友関係は決して広くはないのだが、俺のことをよくわかっている友人には、質的に恵まれた。決して気が長くなく主張が強いという面倒な俺の性質を知っていながら、寛容に、また辛抱強くお付き合いいただいていて、感謝。

50になるまでは、さぞこの節目は大きかろう、半世紀だぞ半世紀、と思っていたが、迎えてしまうとそうでもない。世の中には(苦労の多少はあれど)それを超えて生きている人がたくさんいるわけだし。

誕生日当日は日曜日。家で乾杯。前に飲んで気に入ったMarc Hébrart Special Club 1er Cru Brutの、今回は2012年で。2010年に比べて、2012年はややシャープになり、輪郭がカチっとしたように思われる。

Marc Hébrart Special Club 1er Cru Brut 2012
Marc Hébrart Special Club 1er Cru Brut 2012
ケーキはジャンポールエヴァンのクグロフで。
ケーキはジャンポールエヴァンのクグロフで。

翌月曜日は誕生日休暇を取って、ランチをしに銀座まで。サービスに少々難がありレストランレビューは厳し目になってしまい、じょにおとリベンジで後日どこか食事しに行こうということになったが、味は概ねよく、そこでも昼間からシャンパーニュを開けて大満足。

Gosset Grand Millésime Brut 2006を飲む。
Gosset Grand Millésime Brut 2006を飲む。

さて、もう50代の日々に慣れつつある訳だが、友人からは日々是好日という言葉をいただいた。心しておきたい。

50代最初の写真はノアノアと。
50代最初の写真はノアノアと。