Janet Jackson Unbreakableワールドツアー東京公演


前にジャネットを観たのはVelvet Ropeツアーの時だったから、1997年。それから18年ぶりというと、随分時間が経ったものだと思う。チケットは取れなかろうと行くのを諦めていたのだが、友人の誘いで行けることになった。

ここ数年、ライブを観るとなると落ち着いた雰囲気の中テーブルで飲食をしながらというビルボードライブ東京やブルーノート東京などのスタイルに慣れきってしまっていて、アリーナ系のコンサートは久しぶり。

会場はさいたまスーパーアリーナ。初めて行く場所だ。東京のどこかで適当な場所があればいいのにと思いつつ、小一時間かけて会場へ。

ツイッター等全盛で口コミが大事な時代、会場の入口のキービジュアルは撮影しようとする人だかりがすごかった。その後ろから簡易に撮って会場入りし、着席。

こういうのに行ったというシンボリックなものがほしいのだろう。
こういうのに行ったというシンボリックなものがほしいのだろう。

席はアリーナの後ろの方で右端。そこから見たジャネットは大きさにして4センチ位。(笑)まあそれでも、生で聴くのはいい機会。何せ18年ぶりだし。

開演前の会場ではDJがプレイで雰囲気を盛り上げる。
開演前の会場ではDJがプレイで雰囲気を盛り上げる。
入場時に一人ひとりに配られたカーネーションと共に。
入場時に一人ひとりに配られたカーネーションと共に。

会場を見渡すと、ゲイ率と年齢が比較的高いことに気づく。ジャネット全盛の頃を考えると年齢は納得。そしてダンスで魅了するキュートな存在となると、ゲイがジャネットを愛しているのもまた納得。

オープニングは電車遅延を考慮してやや遅れ始まった。あとは怒涛。往年のヒット曲はほぼ網羅されていた。意外だったのは、Michael Jacksonとの”Scream”とLuther Vandrossとの”The Best Things In Life Are Free”。どちらも故人に捧げられたオマージュとして興味深かった。

そして、そういう聴き方をした人がどれほどいたかどうかは分からないがJimmy Jam & Terry Lewisのヒットアーカイブとしても興味深かった。Jam & Lewisの存在なしには、Janetの成功はあり得なかっただろう。Jam & Lewisが如何に優れたヒットメーカーであったのかをあらためて知り、そのアーカイブを紐解くようにして聴くにつけ、彼らがトレンドを創りつつも普遍的な音楽価値の創造に寄与していたのだなということを、まざまざと見せつけられた思いだった。
音楽的なことで言うと、ポップアーティストとして見られがちなJanet Jacksonだが、ブラックアーティストとしての力量ももちろん備えている。それが遺憾なく発揮されていたのが、”I Get Lonely”。緻密なコーラスワークとミドルテンポのグルーヴは白眉。

パフォーマンス能力は抜群。どの曲もオリジナルキーで歌い、年月が経ていることを感じさせず、ダンスもまたお手のもの。何故ブランクがあったのかとむしろ疑問に思うほどだった。

コンサートの最後には手でハートマークを作り、loveを訴えたジャネット。会場もそれに応え、とても温かな雰囲気で締めくくったのが印象的だった。

ハートマークを作る聴衆。
ハートマークを作る聴衆。

ジャネットの偉大さ、タイムレスな輝き、音楽が人に届けてくれるものなど、様々に感じ入ることの多いコンサートで、行ってよかったと思う。