家が壊れる夢


昨日、久しぶりに奇妙な夢を見た。家が壊れる夢なのだが、今住んでいる家ではない。夢は、次のような感じだった。

2011年7月22日夜の夢日記:
夜半過ぎ、または未明。大阪にいた時の実家の2階にいる。現実には2階は各自の部屋だけだったのだが、夢の中ではそこに、その家に引っ越す前に住んでいた家のLDKがはめこまれていて、そこに父母とともにいる。と、家がギシギシと音を立てて横揺れし、斜めにかしいできて、長方形から平行四辺形のようになるが、食器棚がつっかい棒になって、完全につぶれるのをかろうじて免れた形になる。
そこで俺は「大変だ」とじょにおに携帯から電話をかけるのだが、電話に出たじょにおの声と口調は、俺が20代後半の時に付き合っていた男のもので、のんびりしていて、「ああ、そう?」といった感じ。突き放すでもなく、単純にのんびりしている感じなのだ。周りでは母があたふたしており、父は部屋の隅の方にいるのだが、そのうちどこへともなく消えてしまう。俺は電話をしたまま、食器棚を押して動かそうとすると、食器棚の中、下の方でグラスの割れた音がする。

この夢が何故印象的で重要かというと、自分にとって何か区切りというか、自分が時代的に別フェイズに入ったなと思わせたからだ。今まで幾度となく大阪の実家は夢に出てきていて、それは、そこで暮らしていたこと(コアの内面的な実情は別としても少くとも家族としての体をなしていたこと)に何らかのこだわりがあったことの現れだったと思っている。(詳しくはプロフィールに書いたダークサイド参照)今までの夢では、家に侵入者があってそれから逃げるとか、そこで暮らしているシーンだとか、そういうものであったけれども、壊れるということはなかったし、時系列的には家の存在は独立していて、今回のように、そこに過去のものがはめこまれるとか、現在と通じているということはなかった。

この夢が、超自然的なメッセージ的意義を含むものではないと思う。そうではなくて、自分に、父が死に母と交流を絶ってからの現在がある程度堆積してきて、なかんずく今の暮らしがある程度以上確立されてき、かつての父母が主なる構成要素であった過去の一時代とは一区切りがついたことを、自分に教えているのだと思う。そしてなおかつ、そうは言っても現在は過去からの連続であるから、家がはめこまれていたり、そこからじょにおに電話で連絡を取ったりすることで、その連続性を認識させたのではないか、と思う。夢見はいい方とは思えなかったが、それでもこの夢を見てからは、違うステージへ自分が移行した気がした。