モテ期の微妙


人生には「異性」から好意を持たれるモテ期というものがあるという。一般的に、女性を好きな男性なら、それは願ったり叶ったりで、けっこうなことだろう。が、ゲイが女性から好かれるとなると、そうも言えないのである。

どうやら最近、そのモテ期らしい。いい例から言うと、スーパーの長い列にほんの数点買い物をするために並んでいて、長いなあと思っていると、前にいたたくさんの買い物を持ったご婦人に、「どうぞお先に」と順番を譲ってもらえる。一度ならたまにはそんなこともあるかと思うが、夕方の混んだ時間に二度三度となるとびっくりだ。それまで、おばさんはレジの列にしれっと割り込むことはあっても、そんなことがあり得るとは、想像もしたことがなかった。
あるいは、お昼にタイ料理を食べに行くことが多いのだが、タイ人のお姉さんはいつもちょっと恥ずかしそうな微笑みを浮かべながら、サラダをサービスしてくれる。

ところが、ちょっと応対に気をつけなければと思う事例もある。仕事で、他部署のほんのちょっとしたヘルプをした。ウェブ関係のことで、一般にホームページ制作をする人にとっては単純至極なことなのだが、担当の女性はその方面に明るくないので、チンプンカンプンだったらしい。で、終わって自席に戻ったらメールが来て、

「 今度差し入れします(*^_^*) 」

とのこと。当然、「仕事のことですので、どうぞお気遣いなく」と答えておいたのだが、翌日「郵便です」と、件の女性が社内便の封筒を届けにきた。開けてみると、とある有名ベーカリーのパッケージが入っていて、あおの中にはクロワッサンが半ダース。うーん。じょにおに、「これって気があると思う?」と尋ねると、「あるに決まってる(笑)」と。まあ、軽く「ありがとう」で完結する範囲ではあるので、返礼はきちんとして、クロワッサンは後でスタッフがおいしくいただきました、じゃない、じょにおと2人でおいしくいただきました。

ここで断っておくと、モテ自慢の意味でこれを書いているのではない。そんなことはさらさらする気がない。何故なら、そもそも如何に女性にモテてもしょうがないから。
逆に、変に謙遜する気もない。自分が卑下することでひがみやコンプレックスを持つ人の気分を一時的に持ち上げても、何の本質的解決にもならないからだ。

もとい。いい例・扱い注意の例はまあいいにしても、困るのが次のこと。モテ期というのは実体はどうなのかしらないが、前々から困っているのが、電車で隣り合って座る女性。隣り合って座ると、必ずこちら側に寄りかかってこられるのだ。

隣の人が左右どちらに寄りかかるのか、確率的には5割のはず。そして、通勤電車に乗る男女比は、2010年の東京の労働人口統計からとすると女性 は41.4%、均して4割。つまり、電車で隣に座る全員が寝てもたれかかってきたとしても(そんなことはありえないが)女性がもたれかかるのは最大で0.5×0.4=2割なはず。

そこで、本当に多いのか、月曜~金曜までの1週間、電車で座った時に回数を数えてみた。(暇か 笑)複数路線を使っていて、座れる時もそうじゃない時もあるのだが、座った回数=14回。となると隣に女性が座ってもたれかかってくるのは、確率的には最大2.8回なはずだが、その数なんと……

11回!!!!

これは、有為に多いと言わずしてなんとしよう。そもそも先に座ろうが、席が空いて座ろうが、女性が隣というのがこれだけ多いのが異様だ。もちろん、俺が女性の隣をわざわざ狙って座っているわけではない。むしろ避けたい。イケメンだったら狙って座(略)それが、どういう訳かこの有様なのだ。そして、女性が隣に座ると大抵すぐ寝始め、バサーっと髪の毛が触れてくる。世の一般的なオジサンだったらそんなのが一週間続くというのは夢のようなことだろうが、俺にとっては悪夢なのだ。寄りかかられて、そっちの肩を動かすと正立のポジションに戻るのだが、大抵はまたそれを繰り返す。腕がくっつく人もいて、半袖でじかに肌が触れると、気持ちが悪くてしょうがない。

あれは、わざとしている訳ではないと思うのだろうが、座った時に「そうなってはいけない」と自分に禁止していないのだろう。しかし、寝るのはよくあるにしても、どうして傾くほど寝入るのかがよく分からない。

ところで、「お前の対男性のモテ期はいつのなのか」って? それは言わぬが花。