桜花下交友録


春とはいえまだ肌寒かった昨日、花見をしに、新宿御苑に行ってきた。今シーズンは、シドニー帰りで日本の桜は2001年以来というとんととと、まだ日本の桜見物をしたことがないという香港人パートナーA氏と一緒に来日中のBoxie。と会うのが主目的。たまたま俺のパートナーじょにおが休みで、一緒に行けることになった。まずは御苑に行く前に、伊勢丹の地下で花見弁当を買う。近くに、身綺麗な格好でショートヘアーの男が、女連れで弁当を品定めしていたのを見、じょにおと「男でおしゃれっぽくしてるとみんなゲイに見えるね」「女連れなのにね」などと言いつつ、買い物を済ませて御苑へ。

御苑の人出は例によって例の如しだったが、10分ほどで園内に入場し、電話で連絡して、とんとと・Boxie。と会う。Boxie。と会うのは数年ぶりだが、変わらず元気な様子。お土産に、香港のお菓子と、ブルーのペンダントをいただく。

人からもらわないと効果がないらしい、ブルーのペンダント
人からもらわないと効果がないらしい、ブルーのペンダント

友達と宴席を一緒にするというBoxie。・A氏とは、ゲイだらけのエリアほぼ中央(通称「グラウンド・ゼロ」 笑)に向かう。花見に行くと、人とワイワイするのを楽しむ派と、桜を眺めながらゆったりする派とがいるが、数年ぶりの東京で友人と交流するBoxie。・A氏は賑やかな場所に陣取るようなので、そこで別れ、とんとと・じょにお・俺の3人は、もう少し園内中央へ。

公園も中央部を過ぎて四谷寄りのイギリス式庭園が見渡せる場所の辺りまで行くと、腰を下ろしても苦痛ではない人の多さなので、その辺りで弁当を広げることにする。これ以上寒いと座っているのは苦痛かな、と思われるぎりぎりの気温だったが、腰を下ろしても地面から冷たさが伝わってくるほどではなく、まずまずの花見日和。肝心の桜も、ソメイヨシノは咲きそろっていて、しかし花はまだ散らず、絶好の見頃。食事を摂って少し話などして、桜を見歩く散歩を始める。

千駄ヶ谷方面にある池の方面へ向かうと、枝ぶりのいい桜がたくさんあって、多くの人が盛んに写真を撮っている。空を見上げると、視界には空よりも桜の方が多い場所などがあり、花見らしい花見ができる。ソメイヨシノの他、しだれ桜も見事。とんととはしきりに「日本の桜は素晴らしい!」と感嘆していた。下の写真は、少し嘘つき。実際には、人がたくさんいた。

新宿御苑の桜
新宿御苑の桜
新宿御苑の桜
新宿御苑の桜
新宿御苑の桜
新宿御苑の桜

園内を一通り見て回って、Boxie。を探しにグラウンド・ゼロに向かう。しばし立ち話などして、何となく人酔いしてきたので、退却。帰って昼寝をしたら、何と3時間も寝てしまった。クラブなどでは周りにゲイがどれだけいてもそのことで疲れたりはしないのだが、何故そんなにぐったりしたのかを想像するに、他のゲイの合わない氣にあてられたのではないか。社交モードで接している場合には、ある程度のシールドがあるので、そういうものは自分に侵入しないのだが、気の置けない友人と交流するモードでは、ロックが外れてシールドがはたらいていない。その状態でグラウンド・ゼロにいたものだから、氣に暴露されてしまったというわけだ。

さて、桜というと、よく言われるのは、日本人の気質との類似とか、儚さに無常を感じるとか、そういうことだが、俺は今のところ、そういう感慨がない。これがもっと年を取ったら、そういうことに思いをいたすようになるのだろうか。やはり、桜を見ると春は実感しはする。少し、冷めた見方だろうか。十分に季節や美は実感するのだが、どうも桜と思想は切り離したいたちらしい。