旅後の和食とPierre Péters


じょにおが職場のグアム慰安旅行から帰ってきて、実は慰安旅行といっても慰安する側だったりしたので、かえって疲れただろうと、土曜日は家で慰安メニューにした。行き先がグアムだったということは恐らくジャンクフードなんかも食べただろうから、和食を用意。

吸い物。
吸い物。

丁寧にだしをとって、みょうが、オクラ、豆腐の吸い物を作った。上に添えてあるのは細く切った大葉。

そして、和食に合うよう、優しめの(と思われた)シャンパーニュを開けることにした。

和食とともにシャンパーニュを用意。
和食とともにシャンパーニュを用意。

どれを開栓しようかと選ぶ時には、いつも俺がほとんど決めてしまうのだが、これは珍しくじょにおの選択。前の日記で触れたうちの1本、Pierre Péters Perle du Mesnil Blanc de Blancs(ピエール・ペテルス ペルル・ド・メニル ブラン・ド・ブラン)。メジャーな高級メゾンであるサロンやクリュッグがあるル・メニル・シュール・オジェ村のレコルタン・マニピュラン(自社or者畑のぶどうから作られる少量生産のシャンパーニュ)で、色々な批評で高評価を得ているんだとか。ピエール・ペテルスはロバート・パーカーの「ワイン・バイヤーズ・ガイド第7版」では、シャンパーニュ地方の5つ星生産者に選ばれているそうだ。(他4つはエグリ・ウーリエ、ジャック・セロス、クリュッグ、サロン)なお、このシャンパーニュの名前の「ペルル・ド・メニル」とは「メニルの真珠」という意味だとか。

これを選んだ理由は様々あって、まずブラン・ド・ブラン(シャルドネ100%)で、ドサージュ(澱引き後のリキュールによる補糖)が6~7g/lと少なく、そうした繊細な作りが和食に合うだろうなということ。それから、わざとガス圧を4気圧程度と低めに作っているのも食事向けなこと(通常のシャンパーニュのガス圧は6気圧くらい)。そして、値段が手頃。(笑)食事と一緒に飲んで万一失敗しても、そう後悔はなかろうということ。

さて開栓。なのだが、コルクが堅くて苦労した。2009年にボトル詰めと比較的新しくてコルクが強いのと、ガス圧が低くてボトルの中から押し返してくる力が弱かったせいだろう。注ぎたての泡はクリーミーで豊かだが、すぐに細かく細い泡がゆっくり立ち上る様子に落ち着く。色はわずかにグリーンがかった淡い色で、いかにもシャルドネのフレッシュらしい感じ。ふわりと香る花々、香ばしい発酵香も混じり、どこかにフレッシュで軽いフルーツの面影もある。Côte des Blancs(白い丘 石灰岩質の土壌)で育ったミネラルは全体の優しい感じに溌剌さを与えている。お、これはおいしいぞ、と分かりやすいが、これみよがしな押し出しはなく、華やかにして上品。色とあいまって、清楚な印象。

清楚な佇まいのシャンパーニュ。しかしこののちに…。
清楚な佇まいのシャンパーニュ。しかしこののちに…。

しかしこれがどっこい、見る間にむくむくとフレイバーが成長していく。花はますます咲き誇り、ぶどうの本体も、まるで盛り上がる演奏を支えるアルコ弾きのベースのように朗々としてくる。オーガンジーのように清楚だった印象はベルベットのセクシーさに変わる。それでいて酔いが重くのしかかることはない。「これはいいね」としきりに2人で感心した。

そんな感じだったので、食事とともに全部飲んでしまうことはせずに、食後にチーズとも合わせてみたが、これも堂々の渡り具合。最初は女性的かと思ったが、男の酒であるように感じられたこれ、さてはキレイ系女装か。(笑)じょにおはドラァグクイーン好きなせいか(注 性的な意味ではなく 笑)、この1本を気に入ったよう。Pierre Pétersのもう1本Cuvée de Réserve Blanc de Blancsはどうなんだろうか、近く試してみたい。

そうそう、グアムのお土産にじょにおから革製サンダルをもらった。グアム産の素朴な物ではなく、買い物天国としてのグアムのお土産なので、メーカー名は敢えて伏す。

ソールも革製。
ソールも革製。

ちょっと気軽な夏の外出によさそうだ。ということで、この関係ない話はサンダルだけに、完全に蛇「足」。お後がよろしいようで。