何やっとるのかねえ、という事々。


自分の感覚からいうと、合理的でないを通り越して、奇妙だと考えられる事々がいろいろある。あまりにひどい原発関係のことや民主党政治のことはこの際置いておいて、気になる事々をピックアップ。

国際化って何?

少し前、仕事でとある展示会場に出向いた。イベントも一応「国際」と冠がついていて、展示会場自体も「国際」と銘打ってある場所。開催されるイベントに国外から来ている人もいたから、一応「国際」は嘘ではないだろう。しかし、フードコートでの表示は日本語のみ、昼食を摂っていたら、戸惑った表情の外国人が何人もいた。仮設の出店ならともかく、食べ物屋は展示会場に常設なのだから、せめて英語、そして中韓国語くらいは書いておいてほしい。

展示会の内容も何が「国際」なのかと首をひねった。各社基本的に日本語のみ。ブースに置かれているパンフレットも展示も(一部会社ではタイトルと要約くらいは英語でかかれてあるところもあった)。展示会の内容は技術展だったのだが、技術アピールで国際競争力をつけるのが肝要とか何とか永らく言われている割には、お粗末な感じだ。日本人の国際意識の平均レベルは、いまだ低いと思う。

英語に対応しただけで国際化を果たせるかといえば、そうでないこともちろんだ。そういえば国際化のために東大が秋入学に移行する云々が取り沙汰されている。入学期間を欧米で多い9月に移しただけで国際化になるかといえば、これももちろんそうではないのだが、そのことを指摘するつもりなのか、ニュースで取り上げられていたのが、秋田県にあるとある大学。留学を必須にし、授業はすべて英語というが、留学はまあ置いておいて、英語授業には首をひねる。英語で授業というのは、汎用言語である英語に慣れさせる方便に過ぎなくて、そうしたからといって国際的な視野が身につくかといえば、ノー。

企業のTOEIC偏重主義にも呆れる。俺のいる会社でも今年度から全員TOEIC受験必須となって、日頃外国拠点とコンタクトをしていたり、グローバル会議に関与していたり、海外出張をしている人も皆受けさせられた。一応730点以上は3年間受験免除ということになっていて、まあそんな線引き設定だから、試験にトラウマティックな思い出があって大の苦手の俺も当然クリアはしたのだが(そして次回受ける必要が出てくるころには絶対会社を辞めてやる)、何故一律なのか。馬鹿馬鹿しいことこの上ない。

国際化を図るならば、コミュニケーションの姿勢とか、海外へのアンテナの張り方とか、ダイバーシティーを意識するだとか、そういうところが改善されなければ、いつまで経っても国際化などし得ないと思うのだが。国際化=英語、という発想は不思議だ。

TPP

国際化で思い出した。昨今、TPPが話題になっているが、結局交渉のテーブルに着くという表明だけあって、その後は宙ぶらりん、増税法案にやっきになっていていてお留守になっている。TPPは大いにやればいいと思う。関税による貿易鎖国状態で政府が補助金を出して高値止まりの産業保護などやっていて、産業が強くなるわけでもなければ、消費者にとって良いわけでもない。
TPPについて、前にとあるテレビのサトウキビ農家にインタビューしていたところ、そのおっさんは「政府が金をくれるからやっている。くれないんだったらやめる」と言ってたが、そんなの大いにやめて結構。仕事の本質を見失っている。これが「政府の援助があるから何とかやっていけているが、そうでなければやけないので廃業已む無し、という話なら分からなくもないが、国が金をくれるから農業やってやってるって、どういう了見か。ブラジルでもキューバでも入ってくればよろしい。だいたいこういうので文句を言うのは、利権がらみでの族(やから)とか、職業にプライドのない奴ばかり。そして変化に対する適応能力がない者を保護したところで、行き着く先は目に見えている。

ダイバーシティー

Diversity、多様性。これはどういうことなのかを分かりやすく言うに、誰かが「しゃくに障る奴と同居すること」と言っていたが、もっともと思う。例えば、出身地方が違う、民族が違う、肌の色が違う。こういうところはまともな考え方の人間なら、出身や肌の色などで差別してはならないと言われれば、その理不尽さに気づき、正しいと言われていること=実践すべきこととして飲み込めるかもしれない。
ところが、思想信条が違う、宗教が違う、国が違うとなると、途端に「なぜ自分の考えの拠り所となっているこれと、あいつのアレは相容れないのに、あいつのアレを受け入れなければならないのか」と反発することになる。

しかし、そうした相対する相違の存在を認めることあってこそ、社会は平和とか進歩があるわけで、分からない人は反対の状態=ジェノサイドとか独裁一党政治とか大連立とかを考えてみればよろしい。

それから、中国・韓国の問題がありげな報道にすぐ飛びついて行き過ぎた口調でくさす傾向があるが(いわゆるネトウヨ)、他国をくさしたところでその人や自国の品位は上がらないものだと知って自重すべし。日本だってさんざん人権侵害をしたし、欧米の模倣やダンピングをした。望ましからざることではあっても、成長の途上にいつか来た道、と思い返すべし。もちろん、それがいいとか当然とか言っているのではない。それからむろん、中国内で起こっている深刻な人権侵害については、そちらの方を声を大にして指摘するべきと思う。

手続き・システムというもの

俺の勤めている会社には、グループ連結で5万人に近い人がいる。そしてその会社は、元の親会社にあった各部門が合併して現在の形になっている。(2/27追記:今日会社更生法の適用を申請した会社ではない)組織が大きくなると統御はシステム化するが、利用するシステムはどこかの会社のケイレツから持ってきたものでバランバラン、あちこちの手続きを踏まないと1つのことができない、ということが発生する。

例えば、海外出張の手続き。以下、会社名部署名が違うところは色分けで。(満艦飾な色使いがまるで古いホームページのようだ)

航空券を手配するのは元A会社ケイレツの◯◯ツアーズ。レンタル携帯を◯◯ツアーズに手配したら◯◯ツアーズと契約している■■通信が携帯を持ってくる、しかし通信費用は◯◯ツアーズから請求。海外出張の事前連絡や現地アシスタンスのカード発行は総まとめの★★株式会社の海外担当へ。帰ってきたらオンラインで費用や行程を入力して精算するのだが、その精算システム運営は元A会社ケイレツだが◯◯ツアーズとは違う☓☓システムズで、項目修正が必要になって諸手続き管轄の俺が籍を置いている▼▼株式会社の総務に言うと、システム入力の方法は▼▼株式会社の総務だが、システム上デフォルトで入ってしまう項目の修正は▼▼株式会社の総務ではできなくて☓☓システムズに連絡せよ、と。連絡すると、今度は▼▼株式会社の経理の部署が日当の修正について連絡してきて、払込確認先は▼▼株式会社の人事……

ってええ加減にせんかい!!!!!!!!

と思わず大阪弁で叫びたくなるような状態があるのだ。システムだの担当だのは、本来物事を効率的にできるようあるものではないのか。こういうことで丸半日以上は潰れたりするのである。無駄すぎる。

俺のいる会社のグループは、去年は震災、円高、タイの洪水でお客が減産、とトリプルパンチをくらって、さすがに合理化や支出削減について厳しく見直している。その辺りはもちろん経営のプロが考えているところなので、ビジネスポートフォリオの見直しも含めてきちんとしているはずなのだが、こういう付随業務のややこしさを生む煩雑さも、もっと合理化(シンプル化)した方がよいように思うのだ。

ああ、週末なのに鬱陶しいことを書き綴ってしまった。王様の耳はロバの耳。