全然インドっぽくないインド出張


出張でインドに行ってきた。エレクトロニクス系の国際展示会があって、そのビデオレポートのため。出張全般は、一言でいえばハード。遊びに行ったわけではなく、明後日には札幌に行くので、健康と安全のために冒険(私用外出、珍しい物を食べてみるなど)は一切なし。

スケジュールとしては、

  1. バンコクで乗り換えて夜デリー入り→
  2. 全日取材と夜会食→翌日も夕方まで取材→
  3. 展示会場から直接デリーの空港へ→
  4. 夜便に乗って朝成田着

という無味乾燥な有様。なので、ここでは行きの様子やホテルでの写真を載せてお茶を濁すしかなく、しかも写真だけではどこに行ったのかさっぱり分からない感じだ。終日取材のため、終わったら収録したもののチェックなどもあり、デリー市内はおろか、ホテル内の散策さえままならなかった。

そして、出張なので飛行機のクラスも社規でしっかり縛られており、往復エコノミークラスの設定。うちの会社は経費削減のため、片道合計14時間を超えるフライト以外は、エグゼクティブでもビジネスクラス以上の使用を認めていない。航空会社は行き=日本航空→キャセイパシフィック、帰り=日本航空の直行便。往復ともプレミアムエコノミーなるものになぜかアップグレードしてもらっていたので、少しはマシだったか。

サクララウンジ。
サクララウンジ。

ラウンジはANNEXを使ったタヒチ旅行の時よりきれい。↑の写真だと空いているように見えるが、割と席は満杯な感じ。朝が早かったので、搭乗前にここで軽く食べて飛行機に乗った。機内は特に写すべきものもなく。しかし書いておかねばならないのは、日本航空の機内食のまずさ!!!!!!!!!!!!!! もうね、ほんとまっずいの。

(´ж`;)ゥ → ( ゚д゚)、ペッ

って感じ。(久々出たまっずい絵文字)

洋食・和食のうち、洋食をチョイスしたのだが、あれをパエリヤと言い張るには無理がありすぎる。あれは飲みつけないレッドアイを飲まされたオッサンが冷凍エビチャーハンを食った後に吐いたゲロだ。得体のしれない副菜も拷問に近い。オレンジジュースとハーゲンダッツが一番おいしかった。機内食を食べないと密かにチェックされていて、ボディーパッカーの嫌疑をかけられて入国審査時に厄介になるケースもあるというのを恐れて食べたが、(笑)その悲惨さたるや、いや、ほんとに。ああいうのは、日本航空の逼迫したまさに台所事情というところからくる結果よりは、ひとえに文化的貧しさ(食文化の無理解)によるものなんだろう。いやしかし機内食歴代ワースト1のものを食べてしまった。

バンコクのスワンナプーム国際空港で乗り換え。
バンコクのスワンナプーム国際空港で乗り換え。
広い。
広い。

そしてバンコクのスワンナプーム国際空港で乗り換えた。広い。駐機している飛行機も国際色豊か。あれを見ると、成田は全然レベルが劣っている。アジアのハブは、もう当の昔にタイやシンガポールに奪われているという事実をつきつけられた感じがする。

キャセイパシフィックに乗り換え。
キャセイパシフィックに乗り換え。

そしてキャセイに乗る。周りはインド人だらけ。しかも、この時には飛行機に乗り慣れない団体様一行にあたってしまい、まあうるさいうるさい。こういうところでうるさいのは中国人がワースト1、次にアメリカ人がワースト2と思っていたが、インド人がワースト1決定。しかし、臭いを心配していたが、彼らは清潔で、体臭にもちゃんと気を使っていて、まったく大丈夫。
そして機内食はさすがに香港の航空会社、エコノミーでもおいしく、ほっとした。チキンとオクラのカレーのコンビネーションが出てきたが、カルダモンその他のスパイスも各種入っていてちゃんと作られている。まあインド人を乗せてカレーがまずかったり、中国人相手に日本航空のゲロを出したら、確実に暴動が起きるだろうから、その評判でその航空会社はインド路線を失うことになりかねない。なので、それで当然といえば当然。食べ物で外したくなければインド料理か中華料理かというのに確信を持った。

* * *

さて、乗り継いでデリーに着く。ホテルの車で行くので、押し寄せる「サー、タクシー!」「タクシー、サー!」(注:Sir, taxi)の呼び込みにびびることもなく、広くて清潔な車に乗り込む。ミネラルウォーターと冷やされてパックしてあるおしぼりを出されて、音楽も選べて快適。車外を眺めると、一般にインドと聞かされて思い浮かべる光景そのまま。車は混んでいて、道端に人がいて、信号で止まると物乞いが窓を叩きに来、三輪タクシーや「アンバサダー」というインドの古い車が走っている。が、エアコンのある車が見たところ8割くらい。そして、車は大体にしてきれいで、ちゃんと洗車されていて、ベコベコの車などほとんど走っていない。車に乗れるクラスの人はそれなりの人だし、車は財産でもあるという意識は日本人と同じなのかもしれないが、これは意外だった。あんなに車がきれいなのは、日本とデリーくらいだろう。(多分デリー郊外に行ったり、違う場所に行けば事情はそうではないのだろう)

ホテルはいろいろ整ったいいホテルだった。別に会社がイケイケなのではなく、(飛行機はエコノミーだし)セキュリティー上しっかりしている必要からなのだが、高級ホテルでは門番がいるのは当たり前。しかしここではさらに、ガードが車を念入りにチェックする。助手席のグローブボックスを開けたり、反射板を持っていて車の下まで調べてから車はやっとホテルの敷地に入る。

チェックインしてインドなまりの英語が聴きにくいなと思いながら、部屋へ。部屋は折上天井のクラシックかつ豪華な雰囲気。

こんな感じ。(パノラマ写真)
こんな感じ。(パノラマ写真)
ウェルカムフルーツ。ハンドボウルには薔薇の花びら。
ウェルカムフルーツ。ハンドボウルには薔薇の花びら。
天板が革張りのライティングビューロー。
天板が革張りのライティングビューロー。
ベッドサイド。
ベッドサイド。
こんなサービスも。
こんなサービスも。
足りないアメニティーを頼むと、白い布ナプキンを置いた皿に乗せて持ってくる。
足りないアメニティーを頼むと、白い布ナプキンを置いた皿に乗せて持ってくる。
翌朝はルームサービスで朝食。
翌朝はルームサービスで朝食。

ここは本当にいいホテルで、サービスも迅速で極丁寧だったが、とにかく仕事が大変で、ホテル内の散策さえままならなかった。優雅なのは自室にいる間だけで、旅行でこれたらよかったのに、と思う。

さて、仕事の風景は、これから会社のサイトなどにアップされるものなので、ここで出すわけには行かず、すべて略。

* * *

帰りは日本航空の直行便。空いていて、周りは日本人だらけ。気を張っている必要もないので、ほっとすることはほっとする。プレミアムエコノミーなるクラスで、飲み物のリストにただ「シャンパーニュ」とあったので、「ほんとにシャンパーニュ? スパークリングワインじゃないの? どこの銘柄?」と思って、カートに乗せられたミニボトルを見ると、Pommery Brut Royalだったので、ならまあいいかと飲んで、JALの洋食はもうこりごりと、まだコマシであろう和食を頼み(というか、チョイスを尋ねずに『お食事でございます』とインド系のCAが出してきたので、どちらだかわからず、チョイスはなしなのかとこちらが聞くと、出してきたのが和食と判明したのでそのまま食べた。やっぱりJALはいろんなところがなってないと思う)、まあ一応人間の食べるギリギリのものを食べて、少しだけ眠り、日本に着いた。

今回は仕事で、基本は出展ブースに詰めていて、ホテルとそこしかおらず、移動はすべてタクシーだったので、インドのイの字も体験できなかったのが正直なところ。それでもインドの濃密でエネルギッシュな感じはひしひしと感じられ、そうしたにおいを嗅いだだけでも、貴重な体験だった。文化や社会について考えるところもあり、いろいろ学ぶところがあった。