わっかんねえだろうな~


(イメージ)
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80年代後半~90年代前半 失われた音楽情報

※普段とあまりにイメージの違うビジュアルにびっくりした人、↑はここで書く音楽とは一切関係ありません。(とあるCDジャケットより)

今では何でもウェブを見ればデータが取り出せる。音楽にしてもそう。「あの歌、誰だったっけ?」「あの曲の歌詞、どんなだっけ?」というのはもちろん、音楽もダウンロードが当たり前だし、デジタル配信のみの曲だってある。データベース化はどんどん進んでいて、洋楽ならディスコグラフィーを集大成したDiscogsのページは音楽情報を知るのに欠かせない。iTunesやiPodで表示させるアルバムジャケットを探すソフトだってある。

しかし、一生懸命探しても、80年代後半~90年代前半の音楽は、あまり情報が載っていない傾向にある。活躍華々しかったアーティストでも、アルバムが廃盤になっていたりすると、アルバムカバーは探すのが難しいし、気に入った曲がデュエットの場合のフィーチャリングアーティストも分からなかったり。90年代も半ば以降になると大体網羅されていたり、80年代も前の方だと、懐古趣味のファンがいて情報が案外あったりするのだが、この辺はすっぽりと抜け落ちがち。全部エンコードして元のCDを処分してしまったが、カバーだけでもスキャンしておくべきだったか。

この期間の洋楽は、MTV全盛期を経て、ニュー・ジャック・スイングやハウスのスタイルが生まれ、勃興していく時で、クリエイティブな時代だった。新しい音楽の立役者であったアーティスト達が埋もれて忘れられてゆくのは、残念だ。そして不幸なことに、この時代に活躍したアーティストは、大抵商業主義のメジャーレコードレーベルと折り合いがつかず、離れていってしまって、余計に情報が追いにくい。

よく「オヤジ世代」とか「バブル世代」とか言われる人が「80年代最高!」とか、「バブルよもう一度」と、その時代をそのまま今と比較しても賛美すべきなように扱うのには、共感するところがない。この時代のものは、いわゆる時代の徒花的なものも確かにあったし、現代に継承されなかったのは時の試練に耐えうるだけの価値がなかったからだと思えるものもある。しかし、この時代のものの中には、そうしたフェイクや一時的なだけのものが多かったがゆえに、価値が見過ごされて行っているものも、大いにあると思う。この辺のことを知る人もまた、現代ではエンターテインメントに価値を置かなくなっていったり、疲弊したり、ネット時代について行けなくなったりで、今とその時代の音楽やカルチャーは乖離している。だから、「今のアレはここにルーツがあってこんなだったんだ」ということを今言ったとしても、「へー」で済まされる。どんなに音楽にクリエイティビティーが光っていたかは、わっかんねえだろうな~。

チャンスを逃した人

個人で仕事をしている人に、とある仕事を依頼しようと思って、持ちかけたことがあった。が、結果、依頼しないことにした。まだまだ駆け出しで、仕事の環境も整っていない感じの人だったが、コンタクト時にはやる気もありそうだったので、仕事をやりやすいようにこちらでヘルプもしつつやってもらおうと思っていたのだが。

(前提として、仕事依頼検討の経緯)

1. 専門家(でかつ人間的に信頼のおける人)に依頼する必要のある事案がある

2. たまたまその専門分野の人(仮にXさん)からコンタクトがあったので、仕事を打診。顔合わせを約束するが、やり取りに日にちがかかる。こちらも、始めると決めたからには、事案は始めたいものだが、緊急ではないので、ペースを合わせることにする。

3. 顔合わせ(仕事の進め方の説明と、こちらからの質問に対する回答、および1. の見極め(Xさんとこちらがマッチするかどうか)

4. 仕事依頼のためのNDA(Non Disclosure Agreement 秘密保持契約)につき、Xさんはひな形を持っていなかったので、Xさんが今後の仕事でも流用できるようにとのサポートも考えて、こちらがNDAを作成。ただし、契約書だと2通作成して両方が署名のうえ双方保管になるので、Xさんの署名でこちらに1通差し入れれば足る誓約書の形にして、利用の迅速と利便性も考慮した。

5. XさんにNDAの内容を検討してもらう。Xさん曰く、「立て続けにクライアントより依頼を頂いているもので」多少日にちはかかるだろうと。その旨、こちらも承知。

6. 2週間後、XさんからNDAの内容承服の返事かつ非規定事項につき質問あり。

さて、何故その人に仕事を依頼しないことにしたか。以下の点で、Xさんは仕事を依頼するに足りないと思ったからだ。個人で仕事をしている人には、参考になる点もあるかもしれない。

  • レスポンスが遅い。
    個人でやっている人に頼むことのメリットのひとつに、組織や会社よりも小回りが利くだろうから、ということがある。それは、まずスピード。趣味や個人的振る舞いとしてアクションを求められているのではなく、それが仕事に関することであれば、24時間以内(翌営業日の同時間まで)のレスポンスが原則。「急ぎません」と猶予が与えられても、3日以上無応答は、禁忌。
  • 人間的な器の問題
    人間的な器が大きいかどうかは、たくさんある(いる)競合から抜きん出て自分を選択させるために、常に試されていること。顧客からの質問に対して想定問答集どおりの答えを返すとどうか。顧客によっては、それでOKかもしれないが、そんなことはウェブで同職種のFAQページでも見ればいい。実は、一般的な質問をされているようにみえてもその実聞かれているのは、「その人はそれをどう解決する答えを自分独自のものとして持っているかどうか」なのだ。すなわち、自分の経験や知識がそこにどう活かされているかを質問者の経験や知識にふさわしい内容で答えられるかどうかが、試されるのである。今回の依頼内容は特に人間的知見が仕事内容に関連するものであったため、その辺りがどこか引っかかりのある感じで、顔合せ直後はいいかと思ったが、長引く経緯から総合的に判断し、今回は特に「ん?」と疑問に思ったことは無理に進めないでおこうと思う。仕事を得ようとする人から言えば、そういう「ん?」を顧客に持たせてはいけない。
  • 顧客優先度の判断がフェアでない
    仕事をしていれば、対応するべき顧客が複数同時に来てしまうこともある。しかし、「他に顧客がいて対応できない」として延ばすのは禁忌。この依頼事項の場合、こちらからXさんの事業の手助けをしているにもかかわらず、後回し理由が他の顧客の依頼対応で、しかも文書の検討程度で2週間もかかっている。こちらの依頼事項は生き死にに関わるとか、その日に契約を履行しないと意味がないとかいう緊急なものではないにせよ、重要であるから専門家に頼むのであって、その重要性の判断をXさんは誤った。仕事が開始されない、しかもその前段階での事項が遅滞して待たされるというフラストレーションを新顧客に与えるのは、ビジネスとして失格。

なお、個人的には待たされるというフラストレーションを感じることは一番苦手。ノーレスポンスのフラストレーションを与えられたので、同じようにすることにして、上記経緯の6.で止めておいた。仕事を受けるフォローがきたら、仕事は依頼しないことにした旨、返答するつもりだが、この事例に限らず、いちいち噛んで含めるようにして色んなノウハウやマナーを教えることに、最近は疲れた。

果たしてXさん、ここを見て自分だと思い当たれば気づくかもしれないが、自分の何がいけないのか、わっかるかな~、わっかんねえだろうな~。

冒頭のイメージビジュアルも、分かる人だけ分かれ。<>