3月末に出来の悪い歯医者を叱ってから早3ヶ月。ようやく次の歯医者での治療が土曜に完了。次の歯医者はごく平均的というかまっとうなところで、引き継いで6、7回で治療を完了させた。(型取りしたモデルを歯医者が不注意で割ってしまって1回余計にかかった無償の回を含む)もうしばらく週末の午後を治療のために費やすこともあるまい。なんだか釈放された気分。これでもう気にすることなく存分に食べ物を味わうことができる。そしてしばらくは歯医者にかかりたくない。
ということで、全治記念、と夕食時に1本開けることに。またか、ほんとに理由付けが巧い、と某友人からは言われそうだが、はい、そのとおり。(笑)
今回のはBérèche Et Fils Valée de La Marne Rive Gauche Extra Brut (ベレシュ・エ・フィス ヴァレ・ドゥ・ラ・マルヌ リヴ・ゴーシュ エクストラ・ブリュット)。名前が長い。(笑)先週末に行った衝撃の酒屋で勧められて購入したもの。
Bérèche Et Filsはレコルタン・マニピュラン(自社畑のぶどう使用による自家醸造)で、例によって注目の造り手なのだそう。まあだいたい紹介される文句はどこも仰々しいのだが、かなりのこだわりによる作られ方で、とても注目されているらしい。
これはヴィンテージ表記はないけれども2008年の単一年生産。そしてこれは原材料のぶどうに特徴がある。普通はシャンパーニュを作る時にバランスを取るために入れられるピノ・ムニエだけで作られているのだ。そのピノ・ムニエは1969年に植樹されたいわゆるヴィエイユ・ヴィーニュ(古樹)。畑は名前にあるとおり、マルヌ渓谷(ヴァレ・ドゥ・ラ・マルヌ)の左岸(リヴ・ゴーシュ)のものとか。シャルドネやピノ・ノワールに比べると副材料的使われ方で格下に見られがちなピノ・ムニエがどんな味わいを見せてくれるのか、興味を持って開栓。
開栓してまず感じられるのは、香ばしい発酵香。そして面白いなと思ったのは、淡目の色ながら、ほんのわずかにピンクがさしていること。ピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワールではオレンジがかった黄色をしていることがあるが、そのピンクがかった色合いが印象的。
そして味わいは、エクストラ・ブリュットらしいキレのあるミネラルを感じるなかにも、豊かな感じがする。泡がクリーミーで細かく、液体が丸い、とでも言うといいだろうか。脂の少し乗った白身の魚の刺身との相性は抜群。
そして飲み進めると、白のシャンパーニュながら、ロゼのようにベリー系の香りが感じられてくる。ブラックベリーやブラックカラントのような感じ。パワフルさで言うと、ちょうどシャルドネ100%のブラン・ド・ブランとピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワールの中間のような感じだが、間違いなく力はある感じ。なので、せっかくだからと、食後にウォッシュタイプのチーズとも合わせてみた。
チーズもちょっと通な感じの、Langres Le Champenois。マールドシャンパーニュ(シャンパーニュに使用したぶどうを蒸留して作ったブランデー)で洗って熟成させたもの。
ウォッシュタイプの中では癖は中程度か。切ると、周囲は熟成が進んで柔らかくトロッとしていて、中心部には元の面影がある。
これは目論見どおり、このシャンパーニュとよく合った。後味に少し苦味があるのだが、シャンパーニュの泡のクリーミーさとマッチ。
さて、蛇足にデザートも記録として載せておくか。気に入りでたまに行くドゥネルというケーキ屋で買ってきた。
これはじょにおの選択。俺は…
どれも絶品。ドゥネルのケーキは去年の夏のホームパーティーの時のもブログで紹介しているが、本当に旨い。ケーキを2つずつも食べてって? いや、これは日曜日が父の日だからじょにおに頼まれてじょにおのお父さん用のプレゼントを買ってくるついでに買ったもので、たまにしか行かないから1つずつ買うだけだとあれだし…。(と、またまた理由付けをして逃げる)