週末行動記


6/8(金)遠来の友人

関西から仕事の研修で来ていた某友人Yを家に呼んで食事。前々から来てもらいたかったのだが、忙しい人だけになかなか機会がなく、今回たまたまその研修場所が我が家の沿線の先だったことから、都心に帰る途中で途中下車願った。

休日であればきちんと接待申し上げるところ、俺も仕事から帰ってきてバタバタしていたので、夕食メニューは我が家の定番メニューを作った。サラダを兼ねた前菜にポワソン・クリュ、そしてメインは魚にしてメバルのアクアパッツァ(ちょっと塩気が足りなかったか)、パスタはポルチーニとベーコンのパスタ。自分は作る役だったので写真は撮らなかったのだが、うちに人が来て料理を出すとみんなそれを写真に撮るのが面白い。(笑)

また来てね。なんか適当なあしらいでごめんなさい。今度は泊まりか何かでゆっくりと。

6/9(土)美術展 セザンヌ

土曜日は友人あべおを伴って国立新美術館で開催していた『セザンヌ パリとプロバンス』を観に行った。傘を持ち込めない美術館だが(美術品を傷つけないようにとの配慮か何かなんだろうが、あのルールは疑問)、六本木方面からの入口は傘立てがいっぱいで、結局ビニール袋に入れて入るように誘導される。が、美術展入口に行くと持ち込めないので裏手の乃木坂方面へ持って行けと。誘導の悪さが何だか。

国立新美術館内部。建物のデザインも何だか稚拙で、好きになれない。
国立新美術館内部。建物のデザインも何だか稚拙で、好きになれない。

そして鑑賞。そんなに好きな画家ではないので、良さもあまり分からず。セザンヌはデッサンも習作も本作も、絵が下手な気がする。他の画家で、下手に見せてそれは原点回帰とか表現のための手法とかであってデッサンを見ると精緻な出来に驚くという人は割といるが、セザンヌは、素朴に率直に見たままに下手だと思う。まあ、歌の世界でいえば、誰とはここでは書かないが、歌的に下手で声も聴くに堪えないのが人気を博している例は枚挙にいとまがないから、画家でもそんなものはあるのだと思う。
そういえば展示会で気になったこと。照明が下手で、絵の具に反射して絵がきちんと鑑賞できない所が多々あり、あれは疑問。金を払って見ていたら怒っただろうな。これは招待券で行ったのだが。

うーん、というところで新宿に移動してお茶をして帰った。夜はうちで中華風の夕食を作ってじょにおと2人で。じょにおは最近ますます仕事がハードな様子で、この日は疲れて仕方がなかったらしく、食後にすぐ夜寝をした後、一旦起きてシャワーを浴びてまたすぐ寝てしまった。

6/10(日)ワインその他買出し(衝撃の酒屋レポート含む)

日曜日はじょにおも休み。この日は、ストックの少なくなったワインを買出しに行った。実は、数日前にボストン美術館展に行きたいなどと話していて、それで土曜日はまずセザンヌに行っておくかという話だったのだが、ボストン美術館展をやっている上野まで出かける気にならず。混んでいただろうし。こちらも招待券を持っていたのだが、少しもったいなかった。美術展の招待券はじょにおが定期的に色々もらってくるのだが、つい期限を徒過してしまうことがある。まあ、積極的に行きたいと思うようなのはそんなことはないから、多分過ぎるということはそれ止まりで、流してしまってもいいと自分の中でどこか思っていた結果だろう。

さて、そんな訳で買い物だけに出かけたのだが、この日はいつも行くところと違う場所へ。楽天のショップで通なワインを置いているショップがあって、そこは実店舗もあるようだったので、出かけてみることにしたのだ。ネットで下調べすると、店舗と品揃えにかなりのギャップがある模様。で、世田谷区内にある店舗に行って実際見ると、覚悟はしていたが衝撃。↓

一見何の変哲もない町の酒屋。
一見何の変哲もない町の酒屋。

「え?」と思うことだろう。何の変哲もないというか、むしろ実際見るとちょっと笑っちゃうくらいの感じ。色褪せた看板には「世界のお酒が揃っています!」と書いてあるが、その文句を信じる人はどのくらいいるだろうか。入口の引き戸なんて、取っ手がつぶれていて、代わりの突起物がガムテープで固定してある(ついでに言うとそれが既に年季が入っていてガタついている)という状態。多分、もうちょっとお洒落な酒屋さんは他にたくさんあるはず。というか、ここと同等以下の店構えの酒屋はむしろ少数派なのでは、と思わせる感じ。

ところが。ところがである。中はまさに宝の山! 名品・稀少品のワインが、通路もやっと通れるかという店内に、文字通り「所狭しと」「ゴロゴロ」しているのだ。「ご自由にお開け下さい」と書いてあるワイン冷蔵庫(よく酒屋にあるあれ)の扉の向こうには、ラトゥールやロートシルトの年代物がずらっとあったりする。
が、ゴロゴロしているのはそんなものだけじゃない。 いや、ラトゥールやロートシルトを「そんなもの」呼ばわりする訳ではないのだが、棚という棚にすごいワインがガンガン置かれてあって、ちょっと見るとお値段ウン万円というのに取り囲まれている状態なのだ。さっきのラトゥールの入った冷蔵庫は「ご自由に」だったけれども、じゃあ鍵の付いてる扉の中のワインは一体……? この店にでかいバッグやリュックでも提げて入店して、もし「ガチャン」なんてことになったら、賠償額はいくらになるのか……? 考えただけでも恐ろしい。
そもそも、ここに置いてあるものは値付けがないものが大半。シャンパーニュなどは幾分飲みつけてきて、値段も大体見当がつくのだが、ここから適当に選ってレジに持っていったらどうなることか。一桁万円で済めばまだいいが、という感じなので、ここはしおらしく、まずは店主と思しき人に「こんな感じのを探している」というのを伝えて、候補を出してもらうことにした。

そんなラインナップだから、店の人が偏屈で「素人に売るワインはねえんだよ」風情の人だとどうしよう…と思ったが、みじんもそんな高飛車な様子はなく、親切でほっとした。ここのネットショップで買ったシャンパーニュの銘柄を挙げて、○○や□□はおいしかったのでそういう気の利いたものはないか、と尋ね、そこそこの値段のを出してもらい、次にスティルワインを探してもらう。スティルワインはその人が別の店員さんに我々の希望を伝え、別の店員さんに奥から持ってきてもらった。
そして、持ってきてもらったワインを無造作に積まれた箱の上に立てて1本1本解説してもらったのだが、まだ30代とおぼしきその店員さんは、知識がとても豊富。ワインの味わいを伝える語彙も豊かで楽しい。それらを買うことにしようかと思案しつつ、その下敷きになっている箱は何の箱かとふと見るに、Opus One。恐ろしい……。

しかし、お店の人達は終始とても親切で、丁寧。会計して、先ほどのワインの説明をしてくれた人は笑顔で会話しながら、我々の買い物をちゃんと店の出入口まで持って出てくれたし、次回来る時に車をどこに置くと便利かも教えてくれた。(今回は少し離れたコインパーキングに駐車しておいた)

いやしかし、すごい店だった。もし、俺の友人でワインに興味があって買い物に行ってみたいなら、お連れします。

* * *

その酒屋で色々な意味で圧倒された後には、普通にいつものワインマーケットパーティーへ。そこの酒屋ではフランスワインを買ったので、ここではイタリア産とスペイン産を買い、ついでにチーズとハム類、そして販売員が販売していたメープルバターを買う。メープルバターは初体験。メープルシロップを煮詰めて白濁したもので、バターといっても脂肪分が入っているわけではないのだそうだ。ブルーチーズと練混ぜた物を試食したところ、濃厚な風味で、甘いのにワインにも合いそう。

その後はさらに移動し、こちらも毎度おなじみコンランショップへ。幅7, 80cmほどの大型の陶器の皿がインパクトがあって面白かったので、その皿と、青くて食卓の真ん中におかずを出す時などに使いやすそうな皿とを買った。

そして夕食にクルンテープでタイ料理を食べる。ここの料理は気が効いていて、他のタイ料理やにないようなメニューがあっていい。写真を撮ったのは比較的ポピュラーな料理だけだったけれども。↓

クン・チェー・ナーム・プラー。一説によると衛生状態からいって本場より日本で食べるのがお勧めとか。(笑)
クン・チェー・ナーム・プラー。一説によると衛生状態からいって本場より日本で食べるのがお勧めとか。(笑)
カオパット サッパロッ(パイナップル入りチャーハン)。爽やかな南国の恵み。
カオパット サッパロッ(パイナップル入りチャーハン)。爽やかな南国の恵み。

そして帰宅し、買い物を並べて確認。

ずらっと。
ずらっと。

ワインはちょうど1ダース。ほら、一度に飲む訳じゃないし。ね。買出しの結果だから。ということで、この中からではないが、残り少なくなっていたストックから開栓。

7 Cascine Barolo 2006
7 Cascine Barolo 2006

まあそう値の張る物ではなく、そこそこだが、味はまずまず(微妙な表現 笑)。しっかりしたタンニンとベルベットスムーズな滑らかさがいかにもバローロらしい感じ。

しかし、食というのはきりがないものだ。明日はじょにおの本当の誕生日から遅れること2週間、誕生祝いに食事に行く。どんな料理が出てくるか、そしてワインorシャンパーニュは何があるのか楽しみだ。