小布施へ栗を食べに


ある料理番組を見ていて、小布施の栗が取り上げられていた。シーズンだし栗いいね、とじょにおと話していて、じょにおが休みの昨日、栗を食べに行こうと車を出した。

東京から関越道と上信越自動車道を使って約3時間。東京を出る時には冷たい雨がしょぼしょぼと降っていたが、途中トンネルを抜けて長野県に入るといい天気。暑いくらいだった。

途中PAにて。Tシャツ一枚でもいい位の気温。
途中PAにて。Tシャツ一枚でもいい位の気温。
小布施の駅。北信五岳が望める。
小布施の駅。北信五岳が望める。

小布施の栗といえば、江戸時代は紀州のみかん、甲州のぶどうと並ぶ献上品として有名。さぞかし産地も盛大な…と思いきや、長野の山間によくあるこぢんまりした街。行く途中、栗林も見かけたが、地味な感じで、たとえば甲府辺りに行って一面ぶどう畑で「わあ!」というような感じはない。

それでも歴史を感じる建物やら、渋めの焦げ茶で町並みを整えている辺りは一大観光地の雰囲気。栗の有名店は町の中心部に集まっていて、その一帯は我々のような観光客で賑わっている。平日というのに駐車場は満車で空き待ちのところも。

まず訪れたのは恐らく小布施で最大手であろう栗菓子の店、小布施堂。

小布施堂。
小布施堂。

実はここにお目当ての「朱雀」という、予約不可、持ち帰り不可の栗菓子があって、それが平日なら食べられるかと思って期待して行ったのだが、昼前に着いたというのにもう売り切れ。販売時間は10~14時という強気の商売。
同じ長野県の木曽に母方の実家があり、小さい頃に毎夏帰省していて、蕎麦屋は早く閉まるわ、土産屋の人間はそっけないわというのは昔から見ていた。愛想がないというか、信州人は商売気がないからなあ、と思いつつ小布施堂を後に。

栗といえばその幼少期によく食べていた竹風堂の栗かの子というのがあって、それも目当ての一つ。そちらは普通に売られているので、みやげ品と共に自宅用のを買い、昼時だし蕎麦でも食うかと蕎麦屋へ。富蔵家という所がおいしいらしい。

周りはシックな色使いの中、富蔵家の前にはあまりそぐわないのぼりが立っていたりして、本当においしいんだろうか、と訝りながら入店。しかし結果から言うと、おいしくて大変満足。

蕎麦つゆは昨年モンドセレクション金賞受賞とか。
蕎麦つゆは昨年モンドセレクション金賞受賞とか。

モンドセレクションの賞状は初めて見た。モンドセレクションというと最近は揶揄のネタにしかなっていない印象だが、ここの蕎麦つゆは確かにおいしかった。節の風味が香り高く、しつこくない。販売もされていて、その瓶を見ると、当然添加物は一切なし。

肝心の蕎麦だが、くるみの田舎蕎麦を頼んだ。田舎蕎麦は普通太めだが、ここのは細い。コシが強く、蕎麦つゆでのばして食べるくるみのつゆとよく合う。

細めでコシの強い田舎蕎麦。
細めでコシの強い田舎蕎麦。

店を出て、来たからには栗の入ったものを食べたいと歩く。すぐそばにクレープを売る店があり、クレープ?と思ったが、小布施の新栗とマロンクリームが入ったのがあって、じょにおはそれが食べたいというので、食べるとなかなか。

新栗を買って帰りたいと思っていたのだが、見当たらない。ぶどうを売っている直売コーナーのそっけないジイサンに聞いても「ない」の一言。

なので、現地で加工した物を食べる他ない訳なさそうだなと推察。(その方が利益が上がるのだろう。その辺はガッチリしている)、観光地にお金を落とすのも大事、と、地元のパティスリーに寄った。

イートインカフェスペースがあって食べられる。ここはパリにこだわった感じの本格的な所で、味も洗練されていた。俺は栗のエクレアを、じょにおはモンブランを選択。

エクレアはクリームが濃厚、モンブランはクリームがなめらかでタルトクラストの食感がさっくり。
エクレアはクリームが濃厚、モンブランはクリームがなめらかでタルトクラストの食感がさっくり。

食べつつ、入手した観光地図を見ると栗拾いのできる農園があって、行ってみたが、栗の皮を捨てるゴミ箱が園の前にあるにもかかわらず、こちらも「もうないですね」の一言。置いてあるのはりんごだけ。他のサジェストもなし。やっぱり信州人は商売気がないと意を強くした。(笑)

さて、栗が手に入らないとなると野菜や果物でも買っていくかと、道の駅の直売所に行くことにする。
東京では長野はほど近いのに流通の販路開拓に熱心でないのか、野菜類は東北産が多い。せっかくいい野菜が豊富にあるのに、と、あれこれ買い込む。果物も東京のスーパーで買うより格段に安いし、新鮮。

戦利品。
戦利品。

立ち寄る人は皆結構な量を買っていた。

これで小布施での目的はほぼ達した。せっかく遠方まで来たのだし、ちょっと足を伸ばして温泉にでも入ろうと、約30数km離れた野沢温泉へ。野沢温泉をあちこち巡りたいところではあったが、夜、この遠出のために日中トレーナーのWANLOVEさんの所に預けているうちの犬達を引き取る時間を考えると、1箇所簡単に浸かって帰るのがよかろうと、長野オリンピックの残滓、野沢温泉スパリーナに行くことにした。

野沢温泉スパリーナ
野沢温泉スパリーナ

よくある箱モノ行政の典型のような所で、しかしよく保たれており(ということはその後も金は注がれているのだろう、などと現実的な話をお湯に浸かりながらじょにおと話していた)、ほぼ貸し切り状態のお湯に浸かり、少し仮眠をして、一路東京へ。

野沢温泉で夕暮れて。
野沢温泉で夕暮れて。

そして犬達を引き取り帰宅。

犬達は預けている間、他の犬達とよく触れ合って楽しんだ模様。特にノアノアはうちでは暇と体力を持て余しているので、楽しかったようだ。

遊ぶノアノア(手前)。決して襲っているのではない。
遊ぶノアノア(手前)。決して襲っているのではない。
プットニョス(右)は比較的まったり過ごすのが好みのよう。落ち着いてきた。
プットニョス(右)は比較的まったり過ごすのが好みのよう。落ち着いてきた。

犬達を連れて外出するのがベストだろうが、犬連れがOKかどうか分からない場所では困るし、まだノアノアは1歳未満の子犬ゆえ、預けて行ったのだが、犬達に我慢をさせるのではなく、かえってそこに行くことが楽しみで、しかも犬のためになる所はそうない。本当にありがたいことだ。