人間ドック


今日は人間ドックを受けてきた。初脳ドックも。都内の病院で受けたのだが、検診機関専門の棟が本棟の横にあって、システマティック。最近は「個人情報保護のため」と銘打って、患者(健診でも患者というのだろうか?)に番号札を渡してその番号で呼ぶようにしている医療機関が多いが、ここもそう。受付を済ませて、はいあなたは○○番でこれで呼びますねと言われて、健診着に着替えて待合に座ると、もう自分は人間ではなくオブジェクトでしかない。ああ、刑務所や収容所ってこんな感じかな、と思う。名前だってアイデンティフィケーションのための記号にしかすぎないし、自分の名前も特に苗字は気に入っている訳ではないのだが、「何番さん」と言われるのと、名前で呼ばれるのとは、やはり違う。そして、オブジェクトとしての記号である検査服は、裸同然、その人の尊厳と意味を奪ってしまう。人間をシステムに合わせるってこういうことから始めるのだな、と思う。

まあそうは言っても会社の集団検診で健康診断を受けるよりは遥かに丁寧に扱われるし、集団検診のようにX線検査をする時に隣に××課の誰々さんがパンツ一丁で座って待っている、なんてこともない。(前に集団検診を受けて辟易して、今回は脳ドックのオプションもつけたので、病院での健診にした)扱われ方はぞんざいではなく、OKだと思う。それに、最近の病院はどこも患者に対する言葉遣いがよくなった。「患者様」は「○○の方、××になりますが、よろしかったでしょうか」みたいで、どうかと思うが。

脳ドックは初体験。検査室に入るとややハゲ短髪ヒゲの男性検査技師がいる。BPM126くらいの規則的なハウストラックみたいな音がしていて、最初は「え、病院でDave Audeのミックス?」とかと思ったが、展開がなくてひたすらその単調な音だけなので、それは検査機械の音だと認識。(笑)「うるさいので耳栓をして下さい」と言われて耳栓をして、寝かせられて顔の前にフレームがかぶせられて送致されるハンニバル・レクターを想起。もちろんマスクではないが。ガーっと機械に入っていって、あとはピンクノイズっぽい音とピアノの低音弦の音みたいなのがあって、10分ほどして終了。検査結果は1ヶ月後に郵送だそうだが、自分の脳の画像は自分で見てみたかった。

あとはひたすら検査検査で、最後に検査結果を基にした医師の面談があって終わり。BMIが25.6でオーバーウェイト。もちろん筋肉で重いので肥満ではなく、身長と体重からのみ導きだされるBMIの問題。やや高血圧(怒りすぎ? 笑)、やや悪玉コレステロール多しで、塩分と脂質の摂取に注意、とのこと。終わると昼食が用意されていて、健康メニューなるものを食べて精算を済ませて病院を出た。健康メニューは味もまずまず、品目も豊富だった。

検査を受けると、健康を普段よりも意識する。脳ドックの結果は1ヶ月後だが、特段頭痛がするとかめまいがするとかいうことはないから、大丈夫だとは思うが、家でじょにおに「○○が欲しい」(○○には車の名前とか、ショコラティエの名前が入る)と繰り返し言うのはアルツハイマーを疑うべきか。