それぞれ美味しかったので、記録しておこう。
ワイン
イタリアやスペインのワインはあまり外れがないと書いた記憶があるが、これもそうだった。外れていないどころか、非常においしかった。

フルボディーの味わいだけれども丸く、風味豊かでおいしかった。驚いたのは、飲み残して5、6日も置いてから「腰砕けになっただろうな」と飲んでみたら、まだちゃんとしていて、幾分エレガントにさえなっていたこと。スパークリングはシャンパーニュ地方の物しか飲まないと決めているが、ワインは気に入りがあればイタリアでもスペインでもよく、特にバルバレスコ、バローロ、モンタルチーノは気に入りになりそう。(まあもちろんそこそこの値段はするから、おいしくて当たり前とは思うが…)
サラミ
そしてワインを買った時に一緒に買ってきておいしかった見つけ物が、熟成して白カビで覆われたスペインのサラミ。フエカセーロというのだそうだ。

これは、周りの皮が白カビで覆われていて、そこは取り除いて食べる。食べても無害だが、硬いし、後述の独特さがあるので、取り除いた方が無難。皮を除き、スライスするとこんな感じ。↓

これが旨い。サラミというと、ちょっともたれるような脂身がしつこかったりする場合もあるが、これは脂身部分に甘みを感じ、赤身となめらかに調和している。ワインショップで試食をやっていてそれにじょにおが捕らえられていて、(笑)食べたらおいしかったので即1本買ってきたが、数本買ってくればよかった。
その味が一番の特徴のフエカセーロだが、ちょっとこの白カビの皮がひと癖ある。その、言いにくいのだが、独特の匂いがあって、その匂いというのが男の証の液体の匂いなのだ(!)。なので、特にそれを味わいたいという好みでなければ、これは取り除くのをお勧めする。
豚かつ
こういうのや、うなぎなんかは老舗の味がいい。まっとうに仕事をこなして培われていったノウハウが投影されていることが一番。気をてらったり新奇なもので横道に外れても、あまり成功していると思えたことがない。
旅行代理店に旅行の相談に行ったある平日の雨の夜。じょにおと待ち合わせて出かけた先は表参道で、ついでにまい泉に行って食事をすることにした。東京地方にいる人にはお馴染みの、豚かつの老舗だ。休みの日などに行くと、昼夜を問わず混んでいて、待つのが当たり前の店だが、平日の雨の夜ならなんとかなるかと行ってみると、待ちなしで席につけた。待たなかったのは初めてだ。
まい泉は表参道の奥まった所にあって、古い日本情緒あふれる建物が一つの特徴で、外国人観光客も多く訪れる。テーブルについてクラシックな建物の高い折り上げ天井を眺めつつ「こういうのはなんだか銭湯を思い出すねえ」と俺が言うと、じょにおはそういう建物は見たことがないと言う。なので、「昔、中野にこういう折り上げ天井のクラシックな銭湯があってね」などと返しながら、この建物はいつ頃のなんだろうかと携帯で調べてみると、果たして、この建物は銭湯を改装したとあるではないか。俺の物を見る目もそう悪くはない?
それはそうと、豚かつである。実にまっとう。まっとうながら、かつの切り口を見ると、パン粉と肉に挟まれた粉と玉子の層に玉子の黄色が見え、細かい仕事が凡庸ではないなと思う。揚げ衣はさっくりと、肉はじんわりしっとりと。そして老舗は漬物なんかもおいしい。そつがなくも人間味のある接客を受けながら、そういう味を楽しんで、あちこちブレがちで歪んだことの姿勢矯正を受けたような気分がした。

ところで、豚かつ屋にはやはり豚かつが食べたくて行くので、頼むのは当然かつ膳になるわけだが、ここのカツカレーは隠れ人気メニューでおいしいらしい。横道に云々と書いておいて何だが、今度行ったらカツカレーを食べてみよう。ああ腹が減った。ああしかしダイエットしないと。(旅行はハワイで5月に水着になるわけだし)
