買い替える気はなかったのに買い替えざるを得ず、ブレゲ トランスアトランティックタイプXXIからロレックス ディープシーにした。以前ディープシーはシードゥエラー ディープシーと称されて、シードゥエラーの中の1モデルだったようだが、今は独立のモデル扱いのようだ。
さて、「買い替える気はなかったのに」と言いながら買い替えたのは、昨夏のスウォッチの人種差別投稿に起因する。ブレゲはスウォッチのグループ会社。スウォッチがウェブ広告で、あろうことかアジア人モデルに目の端を指で引っ張って吊り目をするポーズを取らせた広告を展開した。そしてその謝罪は典型的non-apology apologyで、ハナからアジア人蔑視をする傾向が見え見え。

そんなグループの時計をそのまま使う気はないので、それ以来TAは身につけず、その事件後に知り合いの時計バイヤーにTAに替わる時計を提案してほしいと頼んでおいた。
指定としては、もちろんスウォッチグループ以外で。グループにはオメガとハリーウィンストンがあり、それらはもちろん除外。近年、時計は希望のモデルがあってもすぐ買えないのは周知の事実なので、気長に待つと言っておいて、今年の春になり、提案があった次第だ。
で、今回提案されたのがディープシー。TAよりはゴツめで、既に持っているGMTマスターIIと多少イメージが被るかなとは思ったが、見てみることにした。ケースサイズが44mmは相当大きいのではと思い、なかなか手に入れづらいモデルではあるが、似合うかどうかを冷静に判断しようと身につけてみたが、危惧していたほど大き過ぎはしない。厚みも相当と聞いていたが、つけて見てみると浮いてしょうがないというほどではない。違和感がなく、色使いも精悍でいいので、買い替え決定。



ところで、ディープシーは日常使いとしては完全にオーバースペックで、防水は3900m。搭載機能の一つであるヘリウムエスケープバルブは、俺はダイビングをしないので、俺の手元にある間は機能することはないだろう。コマの抜き・足しなしでブレスレットの長さを調節できるグライドロック エクステンションシステムでさえ、一度決めてしまえば調節することはない。厚みの違うダイビングスーツを着替えてそのうえに装着する訳ではないからだ。
日常で時計を身につけるというのは、計時の意味さえ持たず、アクセサリーの意味でしかない。高級時計を売るにはストーリーが必要というが、うんちくを語ることができ、その人の嗜好やステータスを体現するもので、今のZ世代にはステータスですら無意味というのだから、ニッチもニッチである。時計にお金をかけるのはバカバカしいと思っている人も少なくないのは重々承知だが、趣味のもの・ファッションとはそういうもの、要するにその価値があるかどうかは、物を手に入れ使う本人だけが決めることなのだ。
