音楽レビュー Gwen Stefani

This Is What The Truth Feels Like (2016)


(★★★★☆ 星4つ)




Gwen Stefaniについては”Hollaback Girl”の印象で止まっている。もう今年で10年にもなる。Harajuku Girlsをフィーチャーしたあのビジュアル戦略や、音数の少ないトラックが好みでなかったのできちんと聴くこともなく今に至ってみたが、大人のR&B/ソウルを主に聴いていながらもちらちら名前を目にするので、生き残っている秘訣はどこかと魅力を探すために聴いてみた。

このアルバムの全般的な印象は、「生真面目」。音からするとKylie Minogueあたりでもやりそうなキャッチーでポップな曲が並ぶ。”Red Flag”辺りににはかつての片鱗も垣間見えるが、ほとんどの曲はメロディーラインもしっかりしているし、爽やかだし、歌い方が真面目。
そうしたいわばスタンダードな作りから窺い知れるのは、Gwen Stefaniはパフォーマンスの素地がしっかりした歌い手だということだ。その辺りは日本のヘナチョココスプレアイドルとは違うところで、時にコケティッシュさを見せたとしても、それはそう見せることもできるということであって、それ風にしかできないというのとは圧倒的に違う。声域が特別広い訳でもなく、卓越したテクニックを感じる訳でもないが、歌い方がきちんとしているところに好感が持てる。

思えばあの”Hollaback Girl”や”Wind It Up”は、若さ弾ける破天荒を演る女子に眉をひそめる大人へのカウンターアタックだった。Cyndi Lauperが”Girls Just Want To Have Fun”で演ったように。そしてCyndi Lauperがタイムレスな魅力を備えた曲でスタンダードな存在となっていったように、Gwen Stefaniも成長していくのかもしれない。(2016/3/24 記)

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