音楽レビュー Enrique Iglesias


Sex And Love (2014)


(★★★☆☆ 星3つ)

アルバムタイトルから分かるように、セクシーというよりもセックス直球で行く色仕掛けは、この人らしいと言えるだろう。内容は外しのない安定したラテン・ポップ。お約束の盛り上げ隊長Pitbullや、旬を過ぎて焦りが見えつつ高楊枝で頑張るJeniffer Lopezなどもフィーチャーされていて、派手さにも事欠かないが、しっとりしたバラードやミドルテンポの曲にも案外良い曲がある。Kylie Minogueのアルバム”Kiss Me Once”に収録されていたデュエット”Beautiful”はこちらにも収録。

ギター1本をバックにスペイン語で歌うと親父さんの面影もちらほら。今やEnriqueの方が名が知られているのかもしれないが、やはりIglesiasといえばJulio。あの歌い出し、『ナタリー♪』を思い浮かべてしまう(『』がミソ)。しかしながらこの父子には確執があるのか、一緒に歌うことはなさそうだ。

話は横道に逸れたが、Julioが往年のセックスシンボルであったのと同様に、Enriqueは現代のスタイルでそれを成し遂げているように見える。が、こんなにストレートなアルバムタイトルをつけてもどこかあっさりして見えるのは何故だろう? サウンドスタイルがスタイリッシュ過ぎるのだろうか。Ricky Martinのような少しダサいギラギラ感が必要なのかもしれない。(2014/9/8 記)