音楽レビュー The O’Jays



(★★★★☆ 星4つ)

俺がブラックミュージックを聴き始めたのは80年代半ばからなので、60年代からアルバムを発表しているThe O’Jaysが全盛期であったことを知らず、ヒットチューンの名も即座に浮かばない。The O’Jaysと聴いて真っ先に浮かんだのは、その構成メンバーであるEddie LeVertよりも、Kylie Minogueの”Step Back In Time”の歌詞、”Remember the O’Jays”なくらいだ。Eddie LeVertのアルバムは聴いていたというのに。

まあそんなことはさておき、この2018年にニューアルバムと聴いて驚いた訳だが、中身は何と2004年のコンピレーションアルバム”Together We Are One”の編集再発盤。それを知って少々鼻白んだが、聴くと音はクリアーだし、音的にアコースティックでスタンダードであるとは感じても、古臭くはない。無論、Eddie LeVertのボーカルには文句のつけようもなく、気づくと聴き入ってしまっていた。スイートで、メロディーも、バッキングコーラスのハーモニーも、すべてが美しい。
そして同時に、こうした良質なR&B/ソウルは失われてどこに行ってしまったのだろうという、せつない気持ちにもなった。もし、The O’Jaysを俺のように知らない人は、聴いてみて損のないアルバム。Remember the O’Jays.(2018/8/29 記)