音楽レビュー Solo


3.0 Rebooted (2015)

 


(★★★☆☆ 星3つ)




Soloのことを覚えている人はR&Bに詳しいに違いない。ニュークラシックソウルと銘打って1995年にアルバムデビューしたグループだ。ニュージャックスウィングの派手派手しい音から抜け出し、次のスタイルを模索するR&B界にあって、Jimmy Jam & Terry Lewisが懐古趣味的なスタイルでプロデュースし、その後2枚目のアルバムを1998年に出している。

それが今年、長年の眠りから突然復活。アルバムも”3.0 Rebooted”と題されている。メンバーは4人から3人になった。音は相変わらず。懐かし目で、ちょっとダル。ボーカルはシャウト時に多少の荒れを感じるが、歌唱力としては文句なし。ファースト時に比べ、歌い方もほんの少しだけ現代的になったように感じる。

しかし、デビューアルバムリリース時にも感じた、旧時代をなぞることへの疑問はそのまま。というともうニュークラシックソウルという打ち出し自体を否定してしまうことになり、元も子もないのだが。価値観が多様化した今、こんな音を今やる人がいても当然いいとは思うのだが、あの頃はよかったと振り返るばかりでは夢がない。これを是とするか非とするかは、聴く人の姿勢によるだろう。俺としてはそう繰り返し聴きたい気にはならず、コレクションとして保持しておきたい気にも、またならなかった。(2015/12/17 記)