音楽レビュー Lizzo


Cuz I Love You (2019)


(★★★★☆ 星4つ)




既にこのアルバムは大成功を収め、Lizzoは体通りビッグな存在になった。確かLizzoを初めて聴いたのは、ハウスリミックスでだった。Barry Harrisのリミックスで、それはどちらかというと、ハウスディーバといった感じに聞こえ、このアルバムが出て初めて、フィーチャリングアーティストとしてではなく、ソロアーティストとしてLizzoを聴いた。

まずアルバムジャケットからして、この人は歌勝負なのだなと思う。その点について多くは語るまいが、一言言うと、名前もアルバム名も入らないジャケットデザインでも、十二分の説得力。

そして音楽は、パワフルにして濃密。あからさまにビ◯チなどという言葉を使いながらも、サウンドスタイルは正統派のR&Bで、悲恋を歌い上げる曲などはクラシックでさえあり、誰がやっても同じような音楽が巷に溢れるなか、R&Bの正統継承者であることを見せつける。

復活してEPを出したMissy Elliotなどもフィーチャーしながら、押して押して押しまくり、自分の世界を作り上げるこの力量。スケール感は体同等、否、それ以上だった。聴き応えのあるR&Bミュージックを探しているなら、外してはならないアルバム。個人的には大いに気に入り、久しぶりにエキサイティングなR&Bを聴いた気がして素晴らしいと思ったが、歌詞は(一応クリーンバージョンもあるが)explicitで万人向けではないため、星1つ減じて星4つとした。(2019/9/9 記)