音楽レビュー Jaheim


Struggle Love (2016)



(★★★★☆ 星4つ)



音楽の才能とショービズ界でやっていく才能とはなかなか比例しない。この人も、近年多くの才能あるアーティストがインディーズや独自のレーベルからのリリースへと転向しているように、本作はインディーズからのリリースとなり、日本のiTunesではこのアルバムは見つからなかった。

さて、音楽に目を向けると、けれん味のないエッセンシャルなR&Bを堪能することができる。タイトルはレーベル転向に伴うゴタゴタを暗示しているのかとも思わせるタイトルだが、歌い方は自由さを得て伸びやかになった。音の組み立て方はSoloのようなニュークラシックソウルを思わせるが、懐古趣味(音をその時代のスタイルに似せてシミュレートする音楽志向)には陥っていない。その辺りは以前よりも進化しているようだ。
そして、やはり今年セルフレーベルからアルバムをリリースしたBrian McKnightを聴いた時にも感じたが、音楽への真摯な姿勢に敬意を評したくなる。じっくり向き合って聴く価値がある一枚。(2016/5/27 記)

Another Round (2010)


(★★★☆☆ 星3つ)



Jaheimと書いてジャヒームと読むのだそうだ。綴りからするとジャハイムかと思った。そう書いてあるウェブページもあるが。
それはそうとJaheim、新人かと思っていたら、2001年にデビューアルバムを出していて、もう9年になる。サウンドスタイルはごくオーソドックス。一時流行らせようとしていたニュー・クラシック・ソウルの路線と思えばよい。Jimmy Jam & Terry LewisプロデュースのSoloあたりが好きなら、このサウンドは気に入るだろう。

個人的には、あまりにクラシックスタイルすぎて、聴いていると懐古趣味のおじさんになった気になってしまい、あまり好きになれなかった。しかしNe-yoのようないかにも流行り流行りしたものよりはいいような気がするが、積極的にお勧めではない、というのが正直な感想。