音楽レビュー Atlantic Starr


Metamorphosis (2017)


(★★★★☆ 星4つ)




Evelyn “Champagne” Kingがメジャーから移籍したレーベルExpansionから1999年に出たアルバム”Legacy”以来、長くの沈黙を経て突然復活したAtlantic Starr。”Metamorphosis”と題されたこれについては、詳しい情報がないが、レコードレーベルがMetamorphousという名前であることを考えると、オウンレーベルを設立し、これを期に再始動を図るものなのだろう。
かつてのリードボーカルSharon Bryantの声は好きで、ソロデビューした1989年のアルバム”Here I Am”はよく聴いていたが(それ以降残念ながら彼女のアルバムは出なかった)、このアルバムの女性ボーカルは、ジャケット写真を見る限り、彼女ではないようだ。Barbara Weathersだろうか??

さて、曲調だが、オールドスクールの王道。機材さえそのままなのではないかと思われるほどに、80年代~90年代前半の音で、メロディー第一の曲にほっとする。”Always”や”Secret Lover”を彷彿とさせる曲もある。90’sフレイバーは最近また隆盛を見つつあるが、あまりに「あの頃」すぎて、もう少し今の音を意識してもよかったのではないかと感じれなくもない。

しかし、細かく聴こえるリフやタメの利いた構成など、Atlantic Starrは確かに「らしさ」をもって自分達の音で一時代を築いたグループなのだなと再発見させてくれる。メロディー不在の今、聴ける音楽に飢えているなら、聴いて何らかの満足を得られるだろう。(2017/7/13 記)