音楽レビュー Anita Baker


My Everything (2004)


(★★★★★ 星5つ)

久しくミュージックシーンから遠ざかっていた彼女の2004年のカムバックアルバム。スムーズでジャジーな持ち味は健在。安心して聴ける、といったところだが、ファーストアルバム以来一貫している、言わばソウル版イージーリスニングの領域からもう少し踏み出す冒険もほしいような気もする。
が、一聴して彼女と分かるそのオリジナリティをここでは素直に味わいなおすことにしよう。日曜日のディナーにD.O.C.G.のイタリアンワインの栓でも抜きながら聴きたい一作。

Rapture (1986)


殿堂入り作品

当時求められていてありそうでなかった音。ジャズよりもポップ、R&Bよりも大人、ソウルよりも洗練。その意味ではジャンルをクロスオーバーしている。暑苦しくないのに、圧倒的な歌唱力。BGMに流れていてもよし、聴き込んでもよし。特にお勧めの曲は”Been So Long”。洗練の極み。