音楽レビュー Us3


Lie, Cheat & Steal (2011)


(★★★☆☆ 星3つ)

Us3というと1992年にデビューソングの”Cantaloop”が大ヒットして、その曲以外でUs3の意義があるのだろうかというくらいの象徴になってしまっていた。が、例えばCheryl Lynnが”Got To Be Real”だけを、Chaka Khanが”I’m Every Woman”だけを歌えばいいのではないように、Us3もまた音楽活動を続けていく中で、他のことにトライしていかねばならない。その辺は、アーティストとして辛いところだろうと思う。
しかし大体はそれだけで後は鳴かず飛ばずという、いわゆる「一発屋」になりそうなところ、Us3はCantaloop人気で引っ張れるだろうと思われる期間を越して、コンスタントに今まで作品を発表し、活動を続けてきたようだ。

それは彼らが実力者だからということに他ならないのだが、2011年時点での最新作である本作を聞くと、彼らの熱心なファンではない俺の耳には、やはり一連の曲は”Cantaloop”のバリエーションに聴こえてしまう。ラッパーの声が変わったなというのは分かるが、彼らのラウンジ的なサウンドスタイルだと、どうしても中身までを聴きこむ前に曲が流れていってしまう。音楽はスムーズなのに、難しいものだ。