音楽レビュー Speedometer

No Turning Back (2015)


(★★★★☆ 星4つ)




分類としてはファンクなのだろう。このサイトでは分類的に難しいので、広くダンスと捉えてHouse/Dance/Electroに入れた。アルバムアーティストとしてはSpeedometerなのだが、全面的にボーカリストJames Juniorをフィーチャーしていて、いわば共作となっている。SpeedometerはUKベースのバンドで、結成15年とか。ファンクバンドとはいえ、ジャズの匂いもし、アシッドジャズと位置づけてもいい気がする。

アシッドジャズやファンクというと日本ではオシャレげなバーやカフェでかかるBGMのような捉えられ方だが、男臭いこのファンキーなノリは、オシャレの一言では片付けられない。スウィングしている曲や、テンポのいい曲でもグルーヴはどっしりとしていて、土臭い。ドラムスがアコースティックな響きだからだろうか、編成としてエレクトリックなものを排除しているからだろうか。どの曲にも本気度が感じられ、曇り空の都会の裏通りをイメージさせる。いかにもUKという感じだ。
そんな中で箸休め的に(?)入っているPharrell Williamsの”Happy”のインストゥルメンタルカバーは、つかの間ほっとさせる良い曲選。

トレンドとは一線を画して自分達のやりたいことはこれ、という明快な姿勢がいい。ダウンテンポやラウンジ、ディープハウスなどの洗練系の音楽では生活感がなく、浮遊感が心地よくて、よく聴いているのだが、それらとは真逆の、ミュージシャン自身の生活感をも感じさせるようなdown-to-earthなこの種の音楽は、のんべんだらりと暮らしている俺に喝をくれる。(2015/10/22 記)

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