音楽レビュー Ordinary People


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From Chill To Deep (2016)


(★★★☆☆ 星3つ)



ディープハウスのアルバム。女声ボーカルを主にしたハウスで(インストゥルメンタルや男性ボーカルもある)、構成がは基本的に分かりやすい。ディープハウスなのかガラージハウスなのか、と思うところもあるが、アゲ切らない作り、クールなところから、やはりガラージハウスではなくディープハウスなのだろう。

名前のクレジットがなく、feat.としても挙げられていないので、ボーカリストの詳細は不明なのだが、フィーチャリングアーティストでないということは、このOrdinary Peopleの構成メンバーなのだろう。細く高い声で、一昔前ならトランスでフィーチャーされていただろうタイプの声なのだが、ナイーブとか繊細とかいう以前に、少し頼りない感じ。それはボーカルにあまりリバーブが深くかかっていない音処理のせいもあるだろうが、あとひと押しの何かが欠けている感じがする。

全体的には嫌いでない音作りで、アルバム後半に進むに連れて音はディープになっていき、最初の軽い印象から、独自の世界に引き込む作りになっていて、その印象はアルバムタイトル通り。しかし、ラストチューンの”Tears In My Eyes”はFreemasonsあたりがやりそうで、少し元気が良すぎ、アルバムとしてのまとまりを崩している感じがしなくもない。
このアルバムはこれからスタイルがまとまっていくための、まずはポテンシャルを示すためのものなのかもしれない。(2016/8/3 記)