音楽レビュー Harley & Muscle

House Classics VI (2016)


(★★★★★ 星5つ)
タイトルのとおりハウスクラシックをリミックスしたもの。常々思うのだが、ハウスミュージックは80年代後半からの模索を経て、90年代前半にはもう完全なスタイルができあがっており、その後はそのバリエーションにしか過ぎないのではないか。ダンスのためのBPM120以上の4つ打ちビートは91年頃にエッジーなビートが確立されたと記憶しているが、それ以降は。

このアルバムではもちろん2016年主体にリミックスをやっている訳だが、クラシックハウスに題材を取っていても、基本的にそのオリジナルのリリース当時に聴いたスタイルを崩してはいない。Insatiable Featuring Mone’、Kym Mazelleなどの曲を聴いていると、クラブフロアーに撒かれたベビーパウダーの匂いが漂ってくるようだ。(知らない人のために説明すると、当時は本気で踊るシリアスダンサー達のために、クラブフロアには滑りを良くするためベビーパウダーが撒かれることがたびたびあった)

そう、このアルバムから発せられてくるのはハウスの匂い。感性に直結し、失われた時代のオマージュが記憶を呼び起こす。ブラックライトに光るトニック割の酒でも飲みながら聴いてほしい。
しかしこのアルバムで最も重要な点は、単に懐古的なのではなく、2016年の今にディープハウスとして成り立つ音を提供しているということ、そしてその素材を90年代に求めることで、秀逸なハウスチューンは永遠でスタンダードなのだと気づかせてくれることだ。(2016/10/26 記)

Solid Passion (2010)


(★★★★★ 星5つ)

禁欲的で整理された音数の中、次々に音の展開を見せてくれるdeep house。フィーチャリングボーカリストとしてIndia.Arieが名を連ねていて、そのあたりもハウスミュージックファンには嬉しいところ。2枚組でたっぷりHarley & Muscleのdeep houseワールドに浸れる。

Armed Response (2008)


(★★★★★ 星5つ)

Harley & Muscleは、William ‘Harley’ CataldoとFlavio ‘Muscle’ Romanielloの2人組ハウスユニット。質の高いディープハウスをプロデュースしている。本作”Armed Response”は2枚組。音数を厳選したクールなサウンド展開のなかにもエッジの利いたノリの曲が並び、古い言葉で言えば、アンニュイな夜をお洒落に彩ってくれる。こんなサウンドの流れているクラブで一晩中踊りたい。

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