映画レビュー 永久居留 (Permanent Residence)


(★★★★★ 星5つ)

永久居留 (Permanent Residence)は香港のゲイ映画(非ポルノ)。ストレート(に見えるが実は自分のゲイ性を受け入れられないでいるのかジェンダー的に不安定な男なのかもしれない)に恋をする男が描かれている。

主演の李家豪(Sean Li Jia Hao)はMr. Hong Kongだとのこと。非常に均整の取れた美しい肢体をしている。ストレートが見ても、美しさには納得出来るだろう。そしてその美しい男が恋に落ちるのだから、相手も当然美しい。
というと何やら耽美的だが、昨今流行りのボーイズ・ラブ的なところとは一線を画したしっかりしたストーリーと、映画として質の高い映像美が、観る者を飽きさせない。均整の取れた体の男がラブストーリーを演じるとなると、当然観客としてはヌードだの濡れ場だのを予想(期待)するのだろうが、フルヌーディティーというかフルフロンタルというか、とにかく隠し所はなくすべてを惜しげなく出していて、潔いほどだ。ヌーディティーは作品性からして、必要にして十分だが、日本公開は難しいだろうし、ボカシを入れてというのは作品の意味を成さないから、日本でのDVDの発売は期待できないだろう。

そして、この物語はスタイリッシュさが一つの特徴で、主人公の設定はIT企業に勤める裕福な若い男。隙がないというか、設定としてできすぎているというか、その辺は、主人公が広告代理店に勤めている設定の“Ang Lalaki Sa Parola (The Man In The Lighthouse)”と似ている。が、こちらは香港映画、”Ang Lalaki Sa Parola”よりもレジデンスも車も、より洗練されている。

物語は、単にストレートに恋するゲイの物語でなく、一生を通じての話になっていて、その辺もきれい・セクシーだけで終わらないことに寄与している。生と死がサブテーマなのだとか。丁寧に作られている映画で、監督の作品に対する愛情を感じる。公式サイトにはロケ地マップやメイキング、アルバムなどもあって、作品に対する愛情はそれを見てもうかがい知ることができる。作品は分かりやすすぎるかもしれないが、美しさと監督の作品への愛に敬意を表して、星5つ。これに続く『安非他命』も観ると、一層この作品がよく分かるので、そちらもお勧め。

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